片頭痛は、何年にもわたって悩まされている人もいる一方で、全く経験しない人もいます。なぜこの違いが生じるのか、気になる人も多いでしょう。今回は、片頭痛になりやすい人の特徴などを「北村脳神経クリニック」の北村先生に解説していただきました。

監修医師:
北村 高之(北村脳神経クリニック)
順天堂大学医学部卒業。その後、順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経外科入局、同大学の附属および関連病院にて経験を積む。2024年5月、神奈川県横浜市に「北村脳神経クリニック」を開院。医学博士。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医・指導医、日本脳神経血管内治療学会専門医、日本頭痛学会専門医、日本神経内視鏡学会技術認定医。
編集部
片頭痛になりやすい人の特徴はあるのでしょうか?
北村先生
血のつながった家族に片頭痛持ちの人がいる場合は、片頭痛になりやすいと言われています。また、20〜40歳代の女性に多く、未成年で頭痛持ちという場合、ほとんどが片頭痛と推測されます。加えて、完全主義や神経質な性格の人、つまりストレスを溜めやすい人もなりやすいと言えるかもしれません。
編集部
では反対に、なりにくい人は?
北村先生
「なりやすい人」の逆で、家族に頭痛持ちの人がいないことは、なりにくいと言えます。また、50歳を過ぎて新たに発症した頭痛は片頭痛である可能性は低く、二次性頭痛である可能性も否定できないため、医療機関への受診をおすすめします。
編集部
片頭痛を発生しにくくするためにできることはありますか?
北村先生
片頭痛は様々な誘因が言われています。その誘因は人それぞれですが、典型的なものとしては光や音、匂い、ストレス、疲労、アルコール、睡眠の過不足、月経周期、天候の変化などが挙げられます。避けられないものもありますが、睡眠やストレスについては対処可能なので、まずは規則正しい生活を心がけること、ストレスを上手に発散することが大事です。また、「自分はこれが誘因」というのが分かれば、できるだけ避けることが発生予防につながると思います。例えば、光が誘因となる場合、ご自身のお部屋の明るさ、壁の色調を柔らかな色に変えることで片頭痛が減るとも言われています。変えることができる環境であれば是非検討してみてください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
北村先生
日本では頭痛のために日常生活に支障があるにもかかわらず、医療機関を受診せずに市販薬などで対応している人が多くいると言われています。頭痛は生活の質も下げてしまい、うつ病や不安症などの新たな問題も併発しやすくなると言われています。「たかが頭痛で」と思わずに適切な診断・治療を受けて、生活がより良いものとなることを願っています。
※この記事はMedical DOCにて<「片頭痛」になりやすい人の特徴はご存じですか? なりにくい人との違いや前兆も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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