コーヒーは多くの方にとって毎日の習慣となっている身近な飲み物です。しかし、コーヒーに含まれる「カフェイン」は、摂り方によっては身体にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。このセクションでは、カフェインが体内でどのように作用するのか、またコーヒー1杯に含まれるカフェイン量の目安について、わかりやすく解説します。

監修医師:
宮崎 直(医師)
京都府立医科大学卒業
東京都立墨東病院 集中治療科勤務
【資格】
JSPO公認スポーツドクター
救急科専門医
カフェイン中毒とコーヒーの関係:なぜコーヒーで中毒になるのか
コーヒーは世界中で愛飲される飲み物であり、日本でも多くの人が毎日のように口にしています。しかし、コーヒーに含まれるカフェインは、摂り方によっては身体に深刻な影響を与える可能性があります。このセクションでは、カフェイン中毒とコーヒーの関係について、基本的なメカニズムから解説します。
カフェインが身体に与える基本的なメカニズム
カフェインは、コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどに含まれる天然の化合物です。身体の中に入ると、脳内で「アデノシン」と呼ばれる眠気を引き起こす物質の働きを妨げます。アデノシンは本来、脳の特定の受容体(受け取り場所)と結びつくことで眠気や疲労感をもたらします。カフェインはこの受容体に先回りして結合することで、眠気を感じにくくする作用を発揮します。
さらに、カフェインは交感神経を刺激して、心拍数を増加させたり、血圧を一時的に上昇させたりする作用もあります。少量であればこうした覚醒作用や集中力の向上といった効果をもたらしますが、多量に摂取すると身体が過剰に興奮した状態になり、さまざまな不調につながる可能性があります。この過剰摂取による有害な状態が「カフェイン中毒」と呼ばれるものです。
カフェインは摂取後、おおよそ30〜60分で血中濃度が頂点に達し、その後は肝臓で分解されていきます。半減期(血中濃度が半分になるまでの時間)は個人差があるものの、成人でおよそ3〜5時間とされています。ただし、妊婦や肝機能が低下している人では分解が遅くなることも知られています。
コーヒー1杯に含まれるカフェイン量の目安
コーヒー1杯(約150〜200mL)に含まれるカフェインの量は、種類や抽出方法によって異なりますが、おおよそ60〜100mg程度とされています。エスプレッソは量こそ少ないものの、1杯(約30mL)で60〜80mg前後のカフェインが凝縮されています。インスタントコーヒーは1杯あたりおよそ40〜70mg程度です。
一方、エナジードリンクや栄養ドリンクにもカフェインは含まれており、製品によっては1缶あたり100mg以上が含まれているものも存在します。また、眠気覚ましを目的とした医薬品には、1錠あたり100〜200mgのカフェインが含まれているケースもあります。これらを組み合わせて摂取すると、カフェインの総摂取量が気づかないうちに増えてしまうことがあります。
こうした飲み物や食品を複数にわたって摂取することで、カフェイン中毒のリスクは高まります。特に、眠気覚ましのためにコーヒーとエナジードリンクを重ねて飲む、あるいは受験勉強や夜勤明けに複数杯のコーヒーを短時間で飲む、といった習慣がある人は注意が必要です。
まとめ
カフェイン中毒は、日常的に身近なコーヒーやエナジードリンクによっても引き起こされる可能性がある、身近なリスクのひとつです。1日の適正摂取量を意識し、純粋なカフェイン製品の取り扱いには十分注意することが予防の基本となります。動悸・震え・意識の変容など気になる症状が現れた際は、自己判断で様子をみず、内科などの医療機関へ早めに相談することをおすすめします。
参考文献
厚生労働省「食品中のカフェインについて」
食品安全委員会「食品中のカフェイン」
医薬基盤・健康・栄養研究所「カフェイン」
農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
- 「ノンカフェインのお茶」おすすめ3選!カフェインレスとの違いや注意点も管理栄養士が解説!
──────────── - 「カフェインの離脱症状」はご存知ですか?管理栄養士が徹底解説!
──────────── - 「カフェインの取りすぎによる症状」はご存知ですか?カフェイン中毒の初期症状も解説!
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