
玉森裕太主演の日10ドラマ「マイ・フィクション」(毎週日曜夜10:15-11:09、テレビ朝日系)の第5話が8月2日に放送され、“石野奈々美”の記憶を完全に取り戻した真弓(宮澤エマ)からこれまでの出来事が語られ、記憶操作についての謎が徐々に明らかになってきた。(以下、内容のネタバレを含みます)
■ “記憶”に隠された真実をめぐる、予測不能なサスペンス・ラブストーリー
本作は、平凡に暮らしていた男の“記憶”に隠された真実をめぐる、予測不能なオリジナルサスペンス・ラブストーリー。主人公・伊川正樹(玉森)は、事故に遭い目覚めると、世界が一変。他人が“伊川正樹”として妻と暮しており、妻も同僚も町の人々も正樹のことを覚えていなかった…。その後、自分を取り巻く状況は二転三転。おかしいのは、自分か周りかこの町か。正樹は不可解な状況に追い込まれながらも、真実を追い求めていく。
■石野奈々美の“夫殺し”はえん罪?
伊川宅で正樹と真弓の不在を確認した須藤夫妻が慌てて車でどこかに向かうのを見た正樹は、彼らが真弓を探しに行くのだと感じて、津村(野村周平)、由梨(森川葵)と共に夫妻を追った。着いた先は、児童養護施設。津村は、真弓…石野奈々美の娘がおそらくここに居て、奈々美が会いに来ると予想して先回りしたのだと推測し、彼女を待つことにした。
その頃、奈々美は殺した夫の実家を訪れていた。「娘に会わせてほしい」と懇願する彼女に、夫の両親は「息子を殺した女の子どもなんて育てられるわけない」と、娘を施設に追いやったことを告げたのだった。
正樹たちが施設の前で待っていると、奈々美がやって来た。中に入ろうとした彼女は須藤夫妻の姿を見て逃げようとしたが、須藤夫に捕まってしまった。だが、正樹と津村で何とか奈々美を救い、ひとまずホテルへ避難した。
津村に記憶が戻ったことを指摘された奈々美は、3人に、自分は夫を殺していない、と、事件のあった日のことを語り始めた。
娘を連れて帰宅した彼女は、リビングの床に落ちていた血まみれの包丁が目に入り、思わず手に取ってしまった。そして、その先に目をやると、夫が刺殺されていた。警察は、彼女が夫と不仲だったこと、そして包丁に彼女の指紋が付いていたことを理由に、奈々美の反論に耳を貸さず、殺人容疑で逮捕。10年の実刑判決を受けたのだった。あまりにもずさんな捜査。何か意図があって彼女を殺人犯に仕立てて服役させたのだろうか…。
そんなある日、同室の囚人にいきなり因縁を付けられて揉め、なぜか奈々美の方が独居房に送られてしまった。そこで出された食事を食べた後、突然睡魔に襲われ、刑務所の看守たちに運び出された。ぼんやりとする意識の中で見た景色は、コンクリートの壁に囲まれて長く続く廊下だった。
そして、気が付くと、彼女は“伊川真弓”となって夫の正樹と暮していた…。
■真実を突き止めたいと思った奈々美
そこまで話した後、津村に、看守以外に誰か居なかったかと問われた彼女は「知らない女性が居た」と告げた。そして、津村が「もしかして…」と向けたスマホの画像を見て、「この人」と言った。それは、津村の刑事時代の同僚・香坂睦美(国仲涼子)だった。
奈々美の記憶が戻り始めたのは、野良猫に襲われて死んでいた文鳥のピョートルを見た時だった。頭痛がするようになり、知らない記憶がフラッシュバックし始めた。そして、全てを思い出したのは、「正樹が死んだ」と告げられた時だった。
正樹の同僚の多田(ジャンボたかお)が正樹のリュックとスマホを持って家にやって来て、正樹が山道で転落して行方が分からなくなった、残念だが亡くなったようだ、と彼女に告げた。消えた正樹の所持品は、多田の手に渡っていたのだった。
多田の報告を聞いた途端、彼女は激しい頭痛に襲われ、“石野奈々美”の記憶が全て蘇った。目の前にいる多田は、彼女が運ばれた施設で白衣を着ていた男だった。
自分に何が起きているのか知りたい彼女は、「多田を調べるしかない。このチャンスを逃せない」と考え、とっさに彼を正樹だと認識間違いを起こしたふりをした。
奈々美は真弓のふりを続け、多田に「まーくん!事故に遭ったって聞いて心配したけど、良かった」と、抱きつき、多田を信用させたのだった。だが内心は、こんな男を夫として扱うことに対して、最悪の気持ちだった…。キスまでしたのだから…。
彼女は、多田のリュックに盗聴器を仕込み、「はるなぎ園」での理恵(結城萌)との会話も全て聞いていた。正樹が退院して戻って来た時に「どちら様ですか?」と言ったのも芝居だった。
そして、再びやって来た正樹に「ここに居たら危ない。別の所で暮らそう」と言われ、2人で家を出ようとした時、多田にスタンガンを当てられたのだった。

■「ニューロヴァイスコーポレーション」
気付くと、そこは以前運ばれた施設だった。白衣の多田が部屋にやって来て、2人を伊川宅へ運ぶ指示を出した。奈々美は意識が戻っていないふりを続け、壁にある「Nv」というロゴを見た。正樹は、その数日間の記憶を消されて由梨のことも忘れてしまったが、奈々美の記憶は消えていなかった。
奈々美が紙に書いたロゴを由梨が調べると、それが「ニューロヴァイスコーポレーション」という、PTSDや認知症の治療法などの脳科学の研究をする企業のものだと判明した。

■「幸せだった記憶のほとんどに、あなたが居る」
「ニューロ~」を調べると言って津村が帰った後、正樹は奈々美の部屋を訪ね、食料を渡した。部屋に入らず帰ろうとする彼を、奈々美は「一緒に、飲みますか?」と誘った。
「記憶が戻って良かったです」と敬語で話す正樹に、「それやめてください。あなたとの記憶も残ってるので」と薄く笑う奈々美。そして、「ヘンですよね…幸せだった記憶のほとんどに、あなたが居る。全部、嘘なのに…」と涙を流した。
「ピョートルの名前を一緒に決めたり、朝まで一緒に映画見たり…」と、これまでの2人の思い出を語り、あふれる涙が止まらない。「でも、ピョートルはうそじゃないのか…よくわかんない…」と涙をぬぐう彼女の手を、正樹は思わず握り、無言で彼女を労わった。
正樹は、自分が“二宮祐介”という由梨の夫で、当時の記憶が戻りつつあっても、まだ“伊川正樹”で、目の前にいる女性は“石野奈々美”に戻ってしまっても愛しい妻なのだ。作られた夫婦だったが、この2年間、お互いを想い合ったのは2人の意志で、本物の記憶だ。奈々美と正樹の心情を思うと、あまりにもいたたまれない。

■「もう愛は無いから、安心して」
別の日、奈々美が正樹の部屋を訪ねようとした時、由梨が中から出てきた。由梨は正樹に祐介の記憶を思い出してもらおうと、2人の思い出や息子・賢人の成長を写したアルバムを見せに来たのだった。
奈々美は彼女に、「あなたの夫にもう愛は無いから、安心して。嘘の思い出があるだけ」と告げて微笑んだ。だがその表情は、どこか寂しそうだった。“嘘の思い出”は2年前までのものだ。本当に彼女は彼にもう未練はないのだろうか…。それとも、“作られた妻”だった自分に、別の女性と結婚している彼を愛する資格は無いと思っているのだろうか。
今回、奈々美の視点でこれまでが語られたことで、一気にあらゆる謎が判明。視聴者は「奈々美、グッジョブすぎる」と彼女の行動を絶賛。一方、自分の記憶が作られたものだったと知った彼女のつらさに「涙が出た」「悲しすぎる」と寄り添うコメントも。全てが解決した時、正樹(祐介)が選ぶのは、奈々美か由梨か。愛の行方もいっそう気になってきた。
◆文=鳥居美保


