「死んだら終わりよ」弟が亡くなったと知った帰り道。ハンドルを握る母の手は震えていた

「死んだら終わりよ」弟が亡くなったと知った帰り道。ハンドルを握る母の手は震えていた

「死んだら終わりよ」弟が亡くなったと知った帰り道。ハンドルを握る母の手は震えていた
「死んだら終わりよ」弟が亡くなったと知った帰り道。ハンドルを握る母の手は震えていた / (C)きむらかずよ/KADOKAWA



お酒を飲むと財布のヒモがゆるくなる父、よその子でも平気でしかり飛ばす母、素直になれない姉、そしてヤンチャだけれど誰からも好かれた弟。そんな家族の日常を一変させたのは、深夜にかかってきた警察からの電話でした。「息子さんが事故に遭われまして…。もしかしたら容体が危ないかもしれません」。急いで病院へ向かうと、すでに息を引き取っていて――。

高校生の時に16歳の弟を事故で亡くしたきむらかずよさんが、その経験をもとに、肉親を突然失った家族の悲しみと再生をつづったコミックエッセイ『16歳で帰らなくなった弟』。今回は、大反響だった本編では描かれなかった、弟との別れをめぐるエピソードをお送りします。

突然の別れを経験した家族の姿を通して、当たり前に過ごせる日々や、家族と向き合うことの大切さをあらためて考えさせられます。

※本記事はきむらかずよ著の書籍『16歳で帰らなくなった弟』から一部抜粋・編集しました。



頭が現実に追いつかない時は涙なんて出ない
頭が現実に追いつかない時は涙なんて出ない / (C)きむらかずよ/KADOKAWA

泣き崩れることも許されず
泣き崩れることも許されず / (C)きむらかずよ/KADOKAWA

悲しみに浸る間はどこにもなかった
悲しみに浸る間はどこにもなかった / (C)きむらかずよ/KADOKAWA

どうしよう…
どうしよう… / (C)きむらかずよ/KADOKAWA





死んだら終わりよ
死んだら終わりよ / (C)きむらかずよ/KADOKAWA

息子を亡くした悲しみに向き合うことなど許されなかった
息子を亡くした悲しみに向き合うことなど許されなかった / (C)きむらかずよ/KADOKAWA

母の親友も駆けつけた
母の親友も駆けつけた / (C)きむらかずよ/KADOKAWA

初めて母は号泣した
初めて母は号泣した / (C)きむらかずよ/KADOKAWA


『16歳で帰らなくなった弟』の著者のきむらかずよさんに、弟さんについて、そして当時の心境についてお話をうかがいました。

——弟さんがある日突然帰らぬ人となり、現実を受け止められない日々が続いたかと思います。弟さんがいなくなったことを強く実感したのは、どのような時でしょうか。
きむらさん「それまで賑やかだった家が、シーンと静かになりました。毎日8時になると来ていた友達も来なくなり、こんなにも家の中が変わるのか…とひしひしと感じました。
でも、弟が亡くなった後も『ただいま』と帰ってくるような気配を感じたことは、一度や二度ではありません。おそらく両親も同じように感じていたと思います」

——弟さんの死はもちろんですが、同乗していた身元不明の女の子を描くのも相当辛かったことと思います。描くと決めた時はどのような心境だったのか、教えていただけますか。
「弟のことを描くのは、本人との約束でもあったので迷いはありませんでした。でも女の子は嫌ではないだろうか…と相当悩みました。
描かないことを選択する方が楽ではありましたが、自分だったらどう思うだろうと何度も自問自答し、悩みに悩んだ末に描くことを決めました。
『忘れられること』『なかったことにされること』が亡くなった人にとって一番悲しいことではないか…と思ったからです。
単なる被害者ではない、弟が女の子を乗せてしまった、という十字架を背負い、大切に大切に描きました」

かけがえのない存在だった弟さんをある日突然亡くしたきむらさん。その辛い経験から考えさせられるのは、今ある日常は決して「当たり前」ではないということ。平穏無事に暮らせる日々のありがたさに、改めて気付かされます。

【著者プロフィール】
きむらかずよ
イラストレーター。小学1年生の時にプレゼントされた漫画『うわさの姫子』に衝撃を受け、漫画やイラストを描くように。現在は3人の子育てをしながら、新米保育士としても奮闘中。交通事故で亡くなった弟のことを綴った「16歳で帰らなくなった弟」にてデビュー。


著=きむらかずよ/『16歳で帰らなくなった弟 外伝』






配信元: レタスクラブ

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