
同期のいない新卒社員として入社した辰ノたむ(@tatsuno_tamu)さん。配属先の検査課は女性ばかりの職場だったが、働き始めると待っていたのは想像を超える人間関係だった。契約社員や外国人労働者への差別、陰湿ないじめ、無視…。自身の実体験をもとに描いた『正社員で入社した会社を半年でやめたら感謝された件』は、理不尽な職場の現実を赤裸々に描き、多くの読者の共感を集めている。
■「新人のくせに」入社2週間で孤立してしまった



初出社の日、検査課へ向かうと課長は居眠り中。さらに部署は課長以外すべて女性で、教育係のオツ野さんとボネ山さんが大きな影響力を持っていた。職場では契約社員の外国人労働者に対する厳しい叱責が日常的に行われ、休憩室の利用まで制限されるなど、不公平な扱いが続いていた。
たむさんは、契約社員だけに負担の大きい検品作業が押し付けられていることに気付き、その状況を指摘する。しかし返ってきたのは「新人のくせに」という言葉だった。その日を境に休憩室への出入りを禁じられ、翌日からはオツ野さんやボネ山さんに無視されるようになる。それでも「契約社員だけが理不尽な扱いを受けるのは納得できなかった」と行動を曲げなかった。
■実体験だからこそ伝えたかったこと
漫画を描き始めたきっかけについて、辰ノたむさんは「子どもの頃から絵や漫画を描くのが好きで、将来はそういった仕事に携わりたいと考えていました。本格的に描くようになったのは絵日記ブログを始めてからですね」と話す。
本作は「プライバシーの観点から一部フィクションを混ぜていますが、ほぼほぼ私の体験した実話です」と明かし、「『悪者を倒してスカッとする』という結末ではありませんが、『助けてくれる人は必ずいる』ということを伝えたかった」と作品へ込めた思いを語った。
■女性ばかりの職場は難しい!?
女性中心の職場については、「グループ」や「派閥」ができやすく、そこへ入るかどうかで気を遣う場面が多かったという。また、情報共有が活発な分、噂が広まりやすく、些細な行動でも話題になりやすい環境だったと振り返る。
作品づくりでは「ほぼ女性しか登場しないお話だったので、キャラクターの見た目が被らないようにこだわりました」と話し、初めての長期連載だったため「演出やまとめ方を考えるのが難しかったです…!」と制作の苦労も明かした。
■退職後に動き出した会社
半年で退職を決意したたむさんだったが、検査課で退職者が相次いでいたことを不審に思った人事が内部調査を開始。物語は、退職後に社長への直談判へとつながっていく。職場で起きたいじめや差別を描くだけではなく、「助けてくれる人は必ずいる」というメッセージが込められた一作である。
■取材協力:辰ノたむ(@tatsuno_tamu)
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