
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、前回の前編に引き続き、Cygamesが運営するマンガ配信サービス「サイコミ」が今年10周年を迎えたことを記念して、ゆうち巳くみさんが描く人気作『日陰者でもやり直していいですか?』をご紹介。
7月30日に第6巻が発売された本作の魅力を、作者のインタビューとともに前後編に分けてたっぷりお届け。後編では、前回に続き登場キャラクターたちの魅力について、そして最新6巻の見どころなどを語ってもらった。
■高校時代に時間が戻った“35歳の引きこもり”…後悔ばかりの学校生活をやり直す

高校時代の失敗から自らを"日陰者"と称して20年もの間、引きこもり生活を送っていた神庭小晴。35歳のある日、とあることがきっかけで高校時代にタイムリープする。「変えられるのかもしれない…!」勇気のなかった自分をやり直して、新しい自分へと生まれ変わる——小晴の人生再スタートが幕を開けるのだった。
ストーリーが進むにつれて、たくさんの仲間ができる小晴は、過去の“日陰者”だった自分とは大きく違う高校生活を過ごしていく。そして最新6巻では、将来の夢を見つけた小晴が生徒会に入り、高校生活のビッグイベントである体育祭の運営に携わることに。強烈なインパクトのある生徒会長に振り回されたり、見た目がそっくりな仲良し二人組の悩みに寄り添ったり…、新たな環境や出会いの中で、小晴は何を感じ、どう成長していくのか…。
本作は、再スタート前の小晴の年齢に近い読者や、不登校を経験した人からの反響も多く、「いろいろと刺さるものがある」「若い人や何かしら悩んでいる人に読んで欲しい作品」などの声が寄せられている。
■作者・ゆうち巳くみさん「様々な子どもたちのつまずきと成長を描きたい」

――ストーリーが進むにつれて魅力的なキャラクターが次々と登場し、読者によって応援したい“推しキャラ”は分かれそうですが、ゆうち巳くみさんが個人的に好きなキャラは誰ですか?ぜひ理由も一緒にお教えいただけると嬉しいです。
4巻で穂津絵に冷たく当たられていた、渡辺さんというキャラクターです。傷つけられてもなお、相手の良いところを見つけて相手に手を差し伸べる、優しさの芯をしっかり持った子です。そこに至るまでに何度も傷ついて、考えて、布団の中で1人シクシク泣いた夜もあったろうに…と思います。

――最新6巻では、小晴が“先生になりたい”という夢を見つけ、生徒会に入ったところから始まります。体育祭をメインにストーリーが展開されていきますが、6巻の見どころをお聞かせいただけますでしょうか?
6巻は、小晴を中心にした物語からは少し外れて、明日香と睦美という、見た目が双子のようなキャラクター達の悩みを、小晴と浮がどう寄り添うか…という、新天地ではありつつもちょっぴり番外編な雰囲気の巻になります。1巻から描き続けてきた、様々な子どもたちのつまずきと成長を描きたいというところは変わらないので、そこを楽しんでいただけたらと思います。

――体育祭以外にも、球技大会や文化祭など、これまで色々な行事が描かれてきましたが、今後、描いてみたい行事や高校生ならではのシチュエーションなどがありましたらお教えください。
2度目、3度目、とグレードアップした文化祭を今後描けたらいいなと思います。小晴たちが後輩を持った上での景色もまた違うと思うので。
――これまでの連載を振り返ってみて、描いていて一番楽しかった、あるいは逆に一番大変だったシーンや話がありましたらお聞かせいただけますでしょうか?
穂津絵のそばにいた、美香紀という女の子のお話が個人的に一番楽しかったです。美香紀回は「あの日、自分のクラスに居た子」の匂いが物凄くする回になったと個人的に思っているので、どの年代の読者さんも教室の匂いを思い出してくれていたらいいなと思います。

大変だったと思ったシーンは、今回の連載ではまだ一度も無いです。右も左もわからなかった頃の、過去の連載の方が何十倍も大変だったので苦しいと思ったことがまだ無く…。相対的に言えばですけど、球技大会本番のシーンや演説のシーンで、背景にモブを沢山描かなきゃいけなかった時は当たり前に大変でした。というか、自分は今回定期的な休載を頂きながら連載をしているので、そのお陰であまり大変な思いをしてないとも言えます…。サイコミさんに感謝しております。
――今回は前後編に渡ってたくさんのお話を聞かせていただき、ありがとうございました!最後に、今後のストーリーを楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。
今後の展開としては、新キャラが加わりつつも小晴の周囲のキャラクターを掘り下げていくことになるのかなと思っています。そして集団生活の悩みにも、今後もとことん対峙していくことになるかと思います。そしてそれらが、読者さんにとって良い読書体験になるように、自分が表現できる最大限の「感情」を描きたいと思いますので、見守っていただけましたら幸いです。

