子どもの姿勢が悪い。注意してもすぐに身体が傾いてしまう。こんなとき、どんな対策をしたらいい?気を付けたいことや、すぐに取り組める改善方法はある?今回はまえだ整形外科リウマチクリニック院長の、前田俊恒先生に子どもの姿勢についてお聞きしました。

「姿勢が悪い」と言われたらどうする?子どもの姿勢を良くするために今日からできること
「うちの子、座るとすぐに体が傾いてしまうんです。」
「何度『背筋を伸ばして!』と言っても、すぐに猫背になってしまいます。」
このようなお悩みを持つ保護者の方は少なくありません。
最近は学校でも家庭でも、座って過ごす時間が長くなっています。そのため、「姿勢が悪くなった気がする」と感じる方も増えています。
では、子どもの姿勢は、どうすれば良くなるのでしょうか。
最近、姿勢が悪い子どもが増えているのはなぜ?
以前に比べて、子どもたちは体を動かす時間が少なくなっています。
学校から帰っても、公園で遊ぶより、ゲームや動画、タブレットを楽しむ時間が長くなっているご家庭も多いでしょう。
画面を見ていると、自然と顔が前に出て背中が丸くなります。
さらに、その姿勢のまま長い時間過ごすことで、猫背の姿勢が習慣になってしまうことがあります。
また、体を動かす機会が少ないと、姿勢を支える筋肉が十分に育たず、少し座っているだけでも疲れてすぐに姿勢が崩れてしまう子どもも少なくありません。
その結果、体が左右に傾いたり、机にひじをついたり、背もたれにもたれかかったりすることが増えてしまうのです。
座るとすぐ体が傾いてしまうのはなぜ?
「ちゃんと座っているつもりなのに、気がつくと体が傾いている。」
そんな子どもは珍しくありません。
原因として多いのは、
◎姿勢を保つ筋肉がまだ十分育っていない
◎長い時間同じ姿勢を続けるのが苦手
◎椅子や机の高さが合っていない
◎足が床につかず、体が安定していない
といったことです。
特に見落としやすいのが、足が床についているかどうかです。
足がぶらぶらした状態では、体をしっかり支えることができません。
もし足が床に届かない場合は、足台を置くだけでも座りやすくなることがあります。
「体幹を鍛えれば姿勢は良くなる」は本当?
最近は「体幹トレーニング」が話題になることも多いですが、体幹だけを鍛えれば姿勢が良くなるわけではありません。
もちろん、お腹や背中の筋肉は姿勢を保つために大切です。
しかし、それだけではなく、
・日頃から体を動かすこと
・同じ姿勢を長く続けないこと
・座りやすい環境を作ること
・股関節や肩の柔軟性
なども同じくらい重要です。
例えば、毎日体幹トレーニングをしていても、そのあと何時間も猫背でゲームをしていては、姿勢はなかなか改善しません。
まずは生活の中で姿勢が崩れにくい環境を作ることから始めましょう。

今日から家庭でできる姿勢改善のポイント
姿勢を良くするために、特別な運動を始める必要はありません。
毎日の生活の中で、次のようなことを意識してみましょう。
○外で体を動かす時間を作る
走る、鬼ごっこをする、縄跳びをする、公園で遊ぶなど、楽しみながら体を動かすことが一番です。
遊びの中で自然と筋肉が使われ、姿勢を支える力も育っていきます。
○長時間座りっぱなしにしない
ゲームや勉強をするときは、30~60分に一度は立ち上がりましょう。
少し歩いたり、体を伸ばしたりするだけでも十分です。
○タブレットやスマートフォンを見る姿勢を見直す
画面が低い位置にあると、顔がどんどん前に出てしまいます。
なるべく目の高さに近い位置で見るようにし、長時間続けて使わないことも大切です。
○椅子や机の高さを見直す
椅子に深く座ったときに、
・足の裏が床につく
・膝が直角くらいになる
・机が高すぎたり低すぎたりしない
これが座りやすい姿勢の目安です。
こんなときは整形外科に相談しましょう
姿勢が悪いだけなら、生活習慣を見直すことで改善することも多くあります。
ただし、次のような場合は、一度整形外科を受診することをおすすめします。
●肩の高さが左右で違う
●背中が大きく曲がっているように見える
●腰や背中を痛がる
●歩き方がおかしい
●転びやすい
●姿勢を正そうとしてもできない
成長期には、側弯症(そくわんしょう)など背骨が曲がる病気などが見つかることもあります。
早めに相談することで、必要な治療や経過観察につながります。
「姿勢を注意する」より「環境を整える」
保護者の方は、つい「背筋を伸ばして!」と言いたくなるかもしれません。
もちろん声をかけることも大切ですが、それだけでは姿勢はなかなか変わりません。
それよりも、
◆外で遊ぶ時間を増やす
◆椅子や机の高さを見直す
◆家族で一緒に散歩する
◆ゲームや動画を見る時間を少し減らす
といった環境づくりの方が、無理なく続けられます。
まとめ
子どもの姿勢は、毎日の生活の積み重ねで少しずつ変わっていきます。
「姿勢が悪いから」と叱るのではなく、体を動かす時間を増やしたり、座りやすい環境を整えたりすることが大切です。
まずは、
「よく体を動かす」「長時間同じ姿勢を続けない」「座りやすい環境を作る」
この3つを意識してみましょう。
それでも姿勢が気になる場合や、痛みがある、背中の曲がりが目立つなど心配なことがあれば、早めに整形外科へ相談しましょう。
※記事の校閲にAIを使用しています。
執筆者

前田俊恒
まえだ整形外科リウマチクリニック院長
医学博士/整形外科専門医/リウマチ専門医/リハビリテーション科専門医
肩こり・腰痛・関節痛などの慢性疼痛から、関節リウマチ、骨粗鬆症、スポーツ障害まで幅広く診療。
日常生活に根ざした運動指導・セルフケアの啓発にも力を入れている。肩や膝、腰の痛みなど日常の体の不調や身近な健康情報についても、医学的根拠に基づいた分かりやすい解説を行っている。

