私は、幼い娘・リンを育てるママ。昔から人の顔色をうかがい、自分さえ我慢すればいいと気持ちを飲み込んできました。そんなある日、買い物中に見知らぬ女性から付きまとわれ、勝手にリンに触れられ、においを嗅がれ、怯える事態に。
通りかかったカウンセラーをしているというママに助けてもらい、なんとか離れるも、女性は再び現れ、私のバッグからリンのおもちゃを持ち去ったのです。
その後、女性はおもちゃを返し、警察から事情聴取を受けました。すると、迎えに来た夫が、私の前で女性を侮辱し、帰宅後の仕打ちをほのめかすような発言をして……。放っておけなかった私は、「私は変わります。我慢は終わり! 自分の人生を生きます」と自分の決意を伝えました。
それから3カ月後、私はカウンセラーになる夢に向かって新たな一歩を踏み出します。一方、がんの手術を受けた女性は、長らく会っていなかった息子・隆二さんと再会。隆二さんは、「おふくろ、一緒に暮らそう」と提案し、女性を探し続けていたことを明かします。しかし、女性が出した答えは……。
息子の提案に女性は
女性を訪ねてきた息子・隆二さんは、「おふくろだけは、連れ出すって決めてたんだ」と告白。女性を探し出すまでの経緯を話し、「一緒に暮らそう」とあらためて伝えますが……。
















女性を連れ出すため、生活の基盤を整えてから実家を訪ねた隆二さん。しかし、女性の姿はなく、父親は認知症が進み、隆二さんのこともわからなくなっていました。
隆二さんは父親を施設へ入所させ、荒れた実家を掃除しながら、女性の行方につながる手がかりを探したといいます。抗がん剤の明細書を見つけ、病院で待ち続けた末、ようやく女性との再会を果たしたのでした。
「やっと親孝行ができる」と喜ぶ隆二さん。ところが女性は、「お断りするわ」と同居の提案を断ります。女性は、今ようやく自分の時間を生きられるようになったため、これからはゆったりと自由に暮らしたいと説明。がんの転移もなく、たまに顔を見せてもらえれば十分だと伝えました。
女性の思いを聞いた隆二さんは、「おふくろ……いま幸せなんだな」と安堵します。女性も、「まだまだこれからよ! やってみたいこと、たくさんあるの!」と笑顔を見せました。
それから2年後、女性は穏やかな日々を送りながら、孫を乗せたベビーカーを押して散歩をしていました。その日、涼くんが友だちと喧嘩をし、理由をカウンセラーにしか話さないため、香織さんは学校に呼ばれていました。
自分が涼くんに十分構ってあげられていないのではと悩む香織さんに、女性は「子どもはちゃんと見てる。あなたは素晴らしいわよ」と伝えます。
そして、涼くんがカウンセラーの先生を大好きだと知った女性は、かつて自分を変えるきっかけをくれたリンちゃんのママを思い浮かべ、「涼が大好きなその先生に会うの、楽しみだわ」と笑ったのでした。
◇ ◇ ◇
長い間、自分の気持ちを抑え込んで生きてきたとしても、何かのきっかけや周囲の支えによって、自分が望む人生を選び直すことはできます。誰かから受け取った言葉や勇気が、今度は別の誰かを支える力になることもあるでしょう。年齢や過去を理由に諦めず、自分の気持ちを大切にしたいですね。また、悩んでいる人がいたら、背中をそっと押せるような言葉をかけてあげたいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター ままぽぽ

