口の中に何度も水ぶくれができたり、口内炎がなかなか治らなかったりと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。それは「粘液嚢胞」の可能性が高いです。
つぶれることで自然と小さくなっていきますが再発しやすく、なかなか治りません。子どもに多い症例ですが、大人でも発症します。
では一体、何が原因でできるのでしょうか。検査法と治療方法を解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「粘液嚢胞(ねんえきのうほう)」とは?放置するリスク・原因・治療法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
粘液嚢胞の診断方法や治療方法

粘液嚢胞の診断と検査内容を教えてください。
粘液嚢胞かどうかは手で触って診断します。下唇をさわり、こぶがないかどうかを調べます。腫れが数日で大きくなったのかどうか、経過はどんな感じかも尋ねます。
色はどうか
薄くなった皮膚から血管は見えていないか
これらからも診断することが可能です。
粘液嚢胞の治療方法を教えてください。
治療方法は主に経過観察か摘出手術です。小さなお子さんの場合は自然と治ることもあるため、3か月くらい様子見をします。3か月経っても改善しない場合、摘出するために手術をすることもあります。
薬を服用したり塗ったりして治す治療方法はありません。基本的にしばらく様子をみるか摘出するための手術を受けることになります。
手術する場合もあると聞いたのですが…。
治療方法の所でもお話ししましたが、完全に治すためには手術をするのが一般的です。破れるとなくなりますが、ほとんどの場合またできものができます。そのため、手術で摘出をするのです。できものができた部分に局所麻酔をし、切り取って摘出します。
小唾液腺が残っていると再発する恐れがあるので、一緒に摘出します。唾液腺は小さく数も多いので、切除しても問題はありません。
その後、縫合して終わりです。時間にすると15分前後です。術後に傷口から出血することはありますが、痛みはあまりありません。
術後はしばらくの間、傷口が腫れます。腫れが引くまでには数日かかります。縫合に使った糸を取るのは術後1週間程度で行うことが多いです。
この他にも、次のような手術方法があります。
レーザー照射
凍結外科療法
レーザー照射は歯周病や口内炎の治療、虫歯の予防などに使われています。局所麻酔をした後、レーザーを使って摘出をするのが特徴です。ほとんど痛みがなく、出血も抑えることができます。麻酔が切れた後の痛みも少なく、傷の治りが早いというメリットがあります。
凍結外科療法は超低温状態を利用して異常組織を破壊する治療法です。しかし凍結外科療法ができる病院は日本ではあまり多くありません。
編集部まとめ

口の中に何度もできものができると、何かしらの病気ではないかと不安になることもあります。しかし粘液嚢胞はそこまで深刻になる必要はありません。
ただ自然治癒はしないので、日常生活に不便を感じる方や気になる方はお近くの歯科医院に相談してみましょう。
摘出するための手術は外科手術になるため、口腔外科のある歯科医院がおすすめです。粘膜が傷つくことが一番の原因なので、粘膜を傷つけないように普段から気を付けることも大事です。
参考文献
粘液嚢胞|大阪歯周病治療・検査サイト
粘液嚢胞|ふかさわ歯科クリニック篠崎

