●侮辱罪の「厳罰化」の動き
また、侮辱罪については、2022年7月に厳罰化され、法定刑が「拘留または科料」(※拘留は1日〜30日未満の身柄拘束、科料は1000円〜1万円未満の支払い)から、1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料へと引き上げられました。
さらに、2025年9月12日に、法務省で「侮辱罪の施行状況に関する刑事検討会」の第1回が行われ、これに関連して法務省の公式サイトで「侮辱罪の事例集」が公表されています。
この資料中では、たとえば以下のような事例が挙げられています。
コワーキングスペース出入口付近において、被害者の名刺を添付し「Gきもい」と記載したメモ紙を置いた(罰金10万円)
検索サイト上の被害者勤務先の口コミ欄に、「頭よくっても常識ない」「人間性がよくないから●●(被害者勤務先名)よくないですね。」などと掲載した。(罰金10万円)
総合ディスカウントストア倉庫において、従業員に対し、被害者を名指しして「人間として終わっている。」旨申し向けた。(罰金10万円)
このように、具体的な根拠を示さずに、人格や能力を非難する事案が多数処罰されています。また、インターネット上への書き込みにより処罰された事例も多数含まれています。
今回の書き込みは、具体的な事実の摘示を伴わないものの、公然と著名人である板野さんの人格や家族関係について否定的な評価を加えており、上の事例集に照らして侮辱罪が成立する可能性が高い事案と考えられます。
なお、刑事上の責任とは別に、民事上の損害賠償請求(不法行為に基づく慰謝料請求)の対象にもなるでしょう。

