食後高血糖は、糖尿病が発症する前の段階でもみられます。自分が糖尿病予備群にあたるかどうかを知っておくことは、早期対策を講じるための第一歩です。このセクションでは、見分け方の基準と受診のタイミングについて説明します。

監修医師:
井筒 琢磨(医師)
2016年仙台市立病院循環器内科
2019年江戸川病院糖尿病・代謝・腎臓内科
2023年岩手県立中央病院糖尿病・内分泌内科 兼 救急診療科
2023年医療法人社団啓愛会理事
2026年孝仁病院美希病院
所属学会
日本医師会 産業医
日本循環器学会 循環器専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医
日本内科学会 総合内科専門医
食後高血糖と糖尿病予備群の見分け方
糖尿病予備群(境界型)とは、血糖値が正常範囲を超えているものの、まだ糖尿病の診断基準には至っていない状態です。この判断には「経口糖負荷試験(OGTT)」が用いられます。空腹時に75gのブドウ糖入りの飲料を飲み、30分後・1時間後・2時間後に血糖値を測定することで、食後の血糖の動きを詳しく把握できます。日常生活では、以下のような状態に心当たりがある方は、一度内科や糖尿病内科に相談してみることも選択肢のひとつです。
・食後30分〜1時間で強い眠気が来ることが多い
・食事のたびにだるさや頭の重さを感じる
・健診のたびに血糖値の数値が上がってきている
・家族に糖尿病の方がいる
ただし、自覚症状がなくても食後高血糖が起きている場合もあります。判断は必ず医師に委ねることが大切です。
糖尿病予備群の判断基準
糖尿病予備群(境界型)とは、血糖値が正常の範囲を超えているものの、糖尿病の診断基準には達していない状態です。日本糖尿病学会の基準では、75gの糖液を飲んで2時間後の血糖値が140mg/dL以上199mg/dL(200mg/dL未満)であり、かつ空腹時血糖値が正常範囲内にある状態を『境界型』と位置づけています。
この判断をするために用いられるのが「経口糖負荷試験(OGTT)」という検査です。空腹時に75gのブドウ糖入りの飲料を飲み、30分後・1時間後・2時間後に血糖値を測定します。この検査によって、食後の血糖の動きを詳しく把握することができます。
定期健診で空腹時血糖値だけを測る場合、食後高血糖が見逃されることがあります。「健診では正常だったのに、なぜ?」と感じる方が少なくないのはこのためです。気になる方は、内科や糖尿病内科で経口糖負荷試験を受けることが選択肢のひとつになります。
食後高血糖を疑うセルフチェック
医療機関での検査が理想ですが、日常生活の中でも食後高血糖を疑うヒントがあります。以下のような状態に心当たりがある方は、一度専門の医師に相談することを検討してもよいでしょう。
食後30分〜1時間で強い眠気が来ることが多い
食事のたびにだるさや頭の重さを感じる
甘いものや炭水化物を食べた後に体調が落ちやすい
空腹時には正常だと言われるが、健診のたびに数値が上がってきている
家族に糖尿病の方がいる
これらはあくまで参考であり、これらの症状があっても必ずしも食後高血糖とは限りません。また、食後高血糖があっても自覚症状がない場合も多くあります。判断は必ず医師に委ねることが大切です。
まとめ
食後高血糖は、糖尿病の発症や合併症の進行と深くかかわる重要な健康課題です。空腹時血糖値が正常でも油断できない場合があり、食後の血糖の動きを意識することが大切です。食後高血糖の主な原因には、インスリンの分泌遅延・抵抗性、食事内容や食べ方の問題、運動不足や睡眠不足など多くの要因が絡み合っています。食後すぐに横になる習慣や早食い、不規則な食事をやめることが改善の第一歩になります。気になる症状がある方や健診で血糖値の高さを指摘された方は、ぜひ内科や糖尿病内科・代謝内科への受診と相談を検討してください。
参考文献
日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」
国立国際医療研究センター 「糖尿病情報センター」
厚生労働省「糖尿病の基礎知識」
国立循環器病研究センター「糖尿病・脂質代謝内科」
日本内科学会「インスリン抵抗性と2型糖尿病」(日本内科学会雑誌)
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