女性も注意?「膀胱がん」を疑うべき“3つの初期症状”【医師監修】

女性も注意?「膀胱がん」を疑うべき“3つの初期症状”【医師監修】

膀胱がんの症状として、痛みを伴わない血尿が代表的に挙げられます。「一度きりで消えた」「痛みがないから大丈夫」と自己判断することが、発見を遅らせる原因になることがあります。頻尿や排尿時の灼熱感(しゃくねつかん)、残尿感なども初期サインのひとつです。どのような症状に注意すべきか、具体的に解説します。

村上 知彦

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

膀胱がんの主な症状と気づくべきサイン

膀胱がんは早期に発見して適切なアプローチを行うほど、身体への負担が少ない治療の選択肢が大きく広がります。このセクションでは、膀胱がんの代表的な初期症状と、決して見逃してはならない重要なサインについて具体的に解説します。

血尿:最も重要な自覚症状

膀胱がんのサインとして、最も頻度が高く重要な初期症状が「血尿(けつにょう)」です。血尿には、目で見てはっきりと赤色や茶褐色、ワイン色と確認できる「肉眼的血尿(にくがんてきけつにょう)」と、見た目は透明で普通のおしっこに見えるものの、健診などの尿検査で初めて血液成分が指摘される「顕微鏡的血尿(けんびきょうてきけつにょう)」の2種類があります。

膀胱がんによる血尿の最大の決定的な特徴は、「痛みを伴わない血尿(無症候性肉眼的血尿)」である点です。排尿時に激しい痛みや腰痛を伴う尿路結石や急性膀胱炎とは異なり、まったく痛みがなく突然おしっこが赤くなるため、放置されてしまいがちです。血尿を発見した場合は「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、速やかに泌尿器科を受診して詳しい精密検査を受けることが極めて大切です。

特に注意が必要なのは、この血尿が一回だけで一時的に消えて、再び透明なおしっこに戻ることがあるという点です。膀胱がんによる出血は断続的に現れる性質があり、「先日は赤かったけれど今日はきれいだから治った」と自己判断して放置してしまうと、がんが進行し診断が大きく遅れる原因となります。たとえ一度きりであっても、赤みのある血尿が見られた場合には必ず専門医の診察を受けることを強くおすすめします。

頻尿・排尿時の痛みなど血尿以外の症状

膀胱がんでは、血尿以外にも「排尿に関する違和感や不快感」が初期症状として現れることがあります。代表的なものとして、頻尿(ひんにょう)、排尿時の痛みや排尿終わりの灼熱感(しゃくねつかん:熱くしみるような痛み)、残尿感(ざんにょうかん:出し切ってもすっきりしない感じ)などが挙げられます。

頻尿とは、通常よりも排尿の回数が明らかに増える状態を指し、一般的に昼間に8回以上、夜間に2回以上トイレに立つ場合に疑われます。膀胱の内側にがん(腫瘍)が盛り上がって大きくなると、膀胱の中に尿を溜められるスペースが狭まるため、少しの尿量でも強い尿意を感じやすくなります。

排尿時の痛みが続くケースも見逃せません。特に「上皮内がん(CIS)」と呼ばれる平坦に広がるタイプのがんでは、血尿よりも先に「頑固な膀胱炎のような強い排尿痛や頻尿」が長く続く特徴があります。一般的な抗生剤(抗菌薬)を服用しても症状が全く改善しない場合や何度も再発する場合は、単なる細菌性の膀胱炎ではなく膀胱がんの可能性を強く疑う必要があります。

さらにがんが進んだ進行膀胱がんでは、腫瘍が尿管を塞ぐことによる腰や背中の激痛、下半身への血流阻害による足のむくみ、原因不明の体重減少といった症状が現れることもあります。このような全身的な異常症状が伴う場合は、がんが膀胱の壁を越えて周囲に広がりを見せている危険性もあるため、躊躇せず早急に医療機関(泌尿器科)を受診することが求められます。

まとめ

膀胱がんは女性も発症しうる疾患であり、血尿や頻尿などの症状を見逃さないことが早期発見につながります。特に女性は婦人科疾患との混同や受診の遅れが課題とされています。少しでも尿の異常や排尿時の違和感に気づいたら、「恥ずかしい」「一時的なものだろう」と自己判断せず、ためらわずに泌尿器科の受診を検討してください。治療法や費用に関しても、利用できる公的制度を活用しながら、担当医と丁寧に相談することが大切です。

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん」

厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

国立がん研究センター がん情報サービス「がんの統計」

日本年金機構「障害年金」

日本泌尿器科学会「膀胱癌診療ガイドライン」

配信元: Medical DOC

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