先日、「マリー・アントワネット・スタイル」展に行ってからマリー・アントワネットのことが頭から離れません。昨年、はじめてフランスに行ったとき、日数の余裕がなくてヴェルサイユ宮殿に行かなかったことが悔やまれます。
気高さと無防備さを併せ持っていた若きマリー・アントワネットは多くの男性たちを虜にしていたようです。高貴な生まれから滲み出る優雅さ、肌の白さも魅力でした。アントニア・フレイザー著の「マリー・アントワネット」を読んだら、取り巻きの男性たちからアプローチされていたことについても書かれていました。
20歳ころ、夫との夫婦生活があまりうまく行っていなくて、カードゲームのギャンブルにハマったことがあったそうです。そこで取り巻きの男性たちに言い寄られることもありました。王妃の取り巻きになるには、歌がうまく、優雅に踊れることが条件だったとのこと。
当時の貴族の回想によると、マリー・アントワネットは「いささか鈍感なところがかえって魅力的で、言い寄ろうとする者をおのずと遠ざけることになった」そうで、本人は深みにハマることはなく、礼儀正しく崇拝されるのが心地よかったようです。
でもそんな中勘違いする年上の男性もいて、この当時に「おじアタック」を受けていたようでした。取り巻きの一人、ブザンヴァール男爵は50代。マリー・アントワネットの30歳くらい年上で、マリー・アントワネットはブザンヴァール男爵の「白髪交じり」の頭からして恋愛沙汰などありえないと思っていたそうですが、貴族のおじは王妃の友情を愛と勘違い。あるとき、ひざまずいて愛の告白に及びました。するとマリー・アントワネットは20歳くらいなのに落ち着いていて、「どうぞ立ってください。国王陛下にこんなことが知れたら、あなたはおしまいですよ」と冷静に言い放ったそうです。ここで国王を出すとはさすがです。
また別の、おじさんまではいかない8歳年上のローザン公爵にも言い寄られたことがありました。ローザン公爵は女たらしとして有名で、妻を放置して色恋にのめり込んでいました。恋愛経験も豊富で、百戦錬磨のローザン公爵にとってマリー・アントワネットも簡単に落とせるという思いだったのでしょう。実際、ローザン公爵は王妃のお気に入りの取り巻き男子だったようですが、マリー・アントワネットにとっては友情の範疇だったのでしょう。あるとき、ローザン公爵が身につけていたサギの羽根飾りをホメたマリー・アントワネット。そのことをすっかり忘れていたのですが、後日、ローザン公爵に羽根飾りをプレゼントされたので、礼儀として一回身につけたら、公爵は彼女に好かれていると勘違い。彼がマリー・アントワネットに言い寄ったら「お下がりなさい、閣下」と冷たく拒否られたそうです。このことでプライドを傷つけられたのか、ローザン公爵は敵対する派閥に入ったとのこと。「お下がりなさい、閣下」というクールなセリフに痺れました。
マリー・アントワネットは貴族の男性たちにアプローチされても基本は貞節を守っていたようです。スウェーデン貴族のフェルセン伯爵と出会うまでは……。若くてイケメンだったというフェルセン伯爵。異国の貴族なので派閥や利害関係がなく、純粋に一人の女性として接してくれたのが王妃の心に響いたのでしょう。恋愛を超えてソウルメイトのような関係だったのだと想像します。マリー・アントワネット亡き後もフェルセン伯爵は独身のまま生涯を終えたそうです。
フランスの王族や貴族について思い巡らせながらどこにも行かない夏が過ぎていきます。
「地名プラス行き方と入れ検索し脳内旅行で終わりゆく夏」
昨年、フォンダシオン ルイ・ヴィトンに行こうとしてブローニュの森で見かけた野ウサギさん。王妃もウサギを飼っていたそうです。

