「じゃがいものカロリー」はどれくらいかご存じですか?健康効果も管理栄養士が解説!

「じゃがいものカロリー」はどれくらいかご存じですか?健康効果も管理栄養士が解説!

じゃがいもに含まれる栄養素

じゃがいもに含まれる栄養素

炭水化物

じゃがいもは、炭水化物の一種であるでん粉が豊富なので、エネルギー源となります。
そのため、じゃがいもが主食になる国もあります。
カレーライスを作るときに、じゃがいもを入れると、煮崩れたじゃがいものでん粉が、
カレーにとろみをつけることもできるので、カレールウだけでとろみをつけようとするよりも、カレールウを少ない量でとろみをつけることができます。そのため、ルウの塩分を抑えることもできます。
じゃがいも1個(150g)に含まれる炭水化物の量は、生の皮なしで26g、蒸したもので27.2g、市販冷凍食品のポテトを揚げたもので48.6gになります。
因みに、白ご飯1杯(150g)に含まれる炭水化物の量は、54.2gです。
炭水化物の食事摂取基準として、必要エネルギー量の50~65%を目標量として定められています。

ビタミンC

タミンCは加熱や水への溶け出しによって損失しやすい栄養素ですが、じゃがいもはでん粉に守られているため、他の野菜に比べて比較的保持されやすいのが特徴です。 水に溶けやすいため、ゆで汁や煮汁ごと食べる料理(カレーやシチューなど)では、溶け出した分も一緒に摂取することができます。
ビタミンCは、抗酸化作用を持ち、免疫機能の維持、コラーゲンの合成促進、鉄の吸収促進などに関わります。
じゃがいも1個(150g)あたりのビタミンC量は、生の皮なしで約42mg、蒸したものでは約17mg、市販の冷凍ポテトを揚げたものでは約60mgです。
参考までに、みかん1個(100g)には約32mgのビタミンCが含まれています(150gあたり約48mg)。
ビタミンCの1日あたりの推奨量は、成人で100mgとされています(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より)。

カリウム

カリウムは、細胞内液の主要な陽イオンであり、体液の浸透圧を決定する重要な因子です。
酸・塩基平衡を維持する作用があり、神経や筋肉の興奮伝導にも関与しています。
高血圧を中心とした生活習慣病の発症予防の効果があります。
水に流れてしまうので、じゃがいもの、色の変化を防ぐために水に漬けて置いたり、
茹でてしまうと、カリウムは減ります。
じゃがいも1個(150g)に含まれるカリウムの量は、生の皮なしで620㎎、蒸したもので630㎎、茹でたもので510㎎、市販冷凍食品のポテトを揚げたもので990㎎になります。
因みに、バナナ1本(可食部100g)に含まれるカリウムの量は360㎎です。(150g中540㎎)
カリウムの食事摂取基準として、成人の男性で3,000㎎/日、女性で2,600㎎/日を目標量としています。

食物繊維

食物繊維は、生活習慣病の発症率やがんの発症率を下げてくれると報告されている栄養素です。食物繊維の摂取量が多いと、体重や収縮期血圧、総コレステロール値が低いことも報告されています。また、排便の頻度が高くなり、慢性便秘の改善に効果的です。
じゃがいも1個(150g)に含まれる食物繊維の量は、生の皮なし1.8gで、蒸したもので2.6g、市販冷凍食品のポテトを揚げたもので4.7gになります。
因みに、生のごぼう(可食部100g)に含まれる食物繊維の量は5.7gです。(150g中8.6g)
食物繊維の理想的な目標量は成人では25g/日以上と考えられていますが、食事摂取基準はそれよりも低く設定されています。
※日本食品標準成分表・プロスキー変法食物繊維総量の数値参照

葉酸

葉酸は、酵素の補酵素として機能します。DNAやRNAの合成に重要な役割を果たし、欠乏するとDNA合成が抑制され巨赤芽球性貧血が起こったり、不足すると動脈硬化の引き金となる血清ホモシステイン値を高くします。
胎児の神経管閉塞障害発症の予防のために、妊娠を計画している段階から葉酸を400㎍/日摂取すると良いとされています。
じゃがいも1個(150g)に含まれる葉酸の量は、生の皮なし30㎍で、蒸したもので32㎍、市販冷凍食品のポテトを揚げたもので53㎍になります。
因みに、生のほうれん草(可食部100g)に含まれる葉酸の量は210㎍です。(150g中320㎍)
葉酸の食事摂取基準として、成人で240㎍/日とることを推奨されています。また、耐容上限量も定められていて、成人900㎍/日(30~64歳は1000㎍/日)となっています。
サプリメント等での取り過ぎに注意しましょう。

じゃがいもの健康効果

じゃがいもの健康効果

コラーゲンの生成・美肌効果

じゃがいもに多く含まれるビタミンCは、コラーゲンの合成に関わり、血管や皮膚、粘膜などを健康に保つ働きがあります。 ビタミンCが不足するとコラーゲンの生成が妨げられ、血管がもろくなり、出血しやすくなる壊血病などを引き起こすことがあります。また、ビタミンCにはメラニンの生成を抑える作用があり、肌のくすみや色素沈着を防ぐのに役立ちます。 さらに、じゃがいもには皮膚や粘膜の健康維持に関与するビタミンB1やナイアシンなども含まれています。

血圧をさげたり、貧血を予防する効果

食物繊維やカリウムが豊富なので、糖質や脂質、ナトリウムの体外への排泄を促し血圧を下げてくれます。
ビタミンCは、鉄分の吸収を助け、鉄欠乏性貧血の予防や、葉酸も豊富なので、巨赤芽球性貧血などを予防する効果があります。
また、血圧を下げたり貧血を予防する、鉄やマグネシウムもじゃがいもには含まれています。

免疫力の向上や抗酸化作用

エネルギー代謝に必要な補酵素となるビタミンも含まれています。代謝があがれば、免疫力が向上し、さまざまな感染症や病気から身を守ってくれます。また、食物繊維によって、腸内環境がよくなると、老廃物を排泄してくれます。

配信元: Medical DOC

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