IMP.、全員出演で体現する“ブラックお仕事ドラマ”――皮肉たっぷりの“丸投げ”構造を描く『世にも奇妙な物語』新作「下請け」

IMP.、全員出演で体現する“ブラックお仕事ドラマ”――皮肉たっぷりの“丸投げ”構造を描く『世にも奇妙な物語』新作「下請け」

『世にも奇妙な物語 FODの特別編』「下請け」
『世にも奇妙な物語 FODの特別編』「下請け」 / ※提供写真

「この手で掴んだ、元請けの座」――。元請けとは、依頼主から直接仕事の依頼を受けて契約し、全体の管理や進行を担う立場で、下請けはその元請けから仕事の一部を請け負うという関係性である。これをヤクザの親分が、すごく極端かつシンプルに説明すると「仕事を元々請け負った奴」が元請けで、その元請けから「マージンを抜かれて、丸投げでやらされてるみたいなもの」が下請けになる…らしい。そんな元請け・下請け問題は、たびたびニュースにも取り上げられている印象だ。

■「世にも奇妙な物語」FOD版2編目は“ブラックコメディ犯罪劇”

“奇妙な世界”へといざなうオムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」の完全新作オリジナルエピソードが、6月27日よりFODにて配信を開始。2027年5月末まで、1年間をかけて毎月新作エピソードを1編ずつ全12編が独占配信される。その2編目となるのが、IMP.が主演を務める、ブラックコメディ犯罪劇「下請け」だ。

指定暴力団組織の“仕事の丸投げ”を、企業社会の“元請け・下請け構造”になぞらえたブラックコメディ犯罪劇。本作で初となるメンバー全員でのドラマ出演を果たしたIMP.が、それぞれ異なる立場の構成員を演じ、緊張感の中にもどこかおかしみのある“奇妙な下請け構造”を体現する。

■「下請け」ストーリー

指定暴力団・龍神会の元島組の組長・元島吾郎(林和義)は、兄弟盃を交わした黒沼組から暗殺の依頼を受ける。元島は、若頭の一ノ瀬(影山拓也)に100万円を渡して暗殺を依頼する。組長からの依頼を承った一ノ瀬は、元島から貰った報酬の半分を中抜きして部下の構成員・二瓶(鈴木大河)に丸投げする。

その後、二瓶は後輩の構成員へ、その構成員はさらに下の立場の者へ…と暗殺の依頼を“下請け”に丸投げしていき、やがて組の運命を揺るがす思わぬ事態が訪れる。

■末端へのしわ寄せ…ヤクザ社会に見る“元請け・下請け”の歪んだ構造

物語は、まさに“下請け”に“下請け”を重ねた結果に降る天罰…ある意味で“責任”を取るようなプロセスが描かれている。誰も仕事に責任を持たず、お金だけ中抜きして、立場が下の者に押し付けるという構造。上に行けば行くほど楽して稼げる金額は跳ね上がり、下に行けば行くほど金額は下がり、最終的に元々の依頼である「汚れ仕事」をあまりに安い金額で請け負うことになってしまう。つまり、末端の下請けはハイリスク・ローリターンなのだ。

「マタイによる福音書」にあるように、まさに“持っている者”は与えられてますます豊かになり、“持っていない者”は持っているものまでも取り上げられることを体現しているような仕組み。だが、本作で面白いのが、その元締めである元請け、つまり元島組の組長・元島吾郎もまた令和の今の日本社会では“持たざる者”であることだ。

ドラマ冒頭での、元島組長と若頭・一ノ瀬の会話が伏線になっている。「今月も少なくてすみません…オヤジ。下の者が入れ替わり立ち替わりで、なかなか…」(一ノ瀬)、「この稼業も不景気だ。仕方ねぇよ」(元島)。

つまり、そもそも指定暴力団というヤクザ稼業自体がすでに持っているものまで取り上げられる側の人間であること。そして、下の者=下請けがコロコロ変わるということはそれだけ信用も信頼もない、つまり失敗するリスクが高い、統率されていない組織になっていることがこのセリフだけで感じ取れる。

そしてまさに、その結果、元島が請け負った仕事が一ノ瀬に渡り、そして二瓶、構成員・三田(基俊介)、パチンカー・四方(椿泰我)、フリーター・五十嵐(松井奏)…とどんどん流されていくのだが、この“下請け”への伝言ゲームが歪に変化していってしまい…。

■ポップさの裏に潜む教訓と、IMP.メンバーが見せる“悪どい表情”

そんな裏社会を舞台にしたブラックコメディである本作は、ツッコミどころもあるぶっ飛んだ展開でポップに描かれている。だが、その内容自体は因果応報、楽に稼げる金はない、仕事への責任の重さ、信頼関係とは何か、お金の恐ろしさ…など、社会で生活する上での大切な教訓のようなものも詰まっている。

また、IMP.メンバーそれぞれの個性が発揮されている芝居や、メンバー同士だからこその独特な雰囲気がクセになる掛け合い、メンバーそれぞれの“悪どい表情”も見どころの1つだ。

“元請け”という椅子に座ることは果たして、本当に“楽”なのだろうか。“下請け”もまた目先の金額だけに踊らされず、この対価に相応しい業務内容かを一度自身の頭で考えなければならない。どんな立場でも仕事でも何が大切かを考えさせられる、ある意味そんな“お仕事ドラマ”とも言える。

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