乳幼児の睡眠や食事の行動は個人差が大きく、特に初めての子どもの場合は「この行動は異常?」「それとも普通?」などの判断がつかないことも多いと思います。そこで今回は「こどもとおとなのクリニックパウルーム」の黒木先生に、子供の睡眠や食事に関する行動の正常と異常を分けるラインについて、ケーススタディに沿って教えていただきました。

監修医師:
黒木 春郎(こどもとおとなのクリニックパウルーム)
千葉大学医学部卒業。千葉大学医学部文部教官などを経た後の2008年に「医療法人嗣業の会」理事長に就任。2023年、東京都港区に位置する「こどもとおとなのクリニックパウルーム」の院長に就任。医学博士。日本小児科学会専門医・指導医・出生前コンサルト小児科医、日本感染症学会専門医・指導医・評議員。千葉大学医学部臨床教授、公認心理師、臨床発達心理士、子どもの心相談医、医師少数区域経験認定医師。
編集部
乳幼児の睡眠や食事に関する行動は、どこで正常か異常かを区別すればいいのですか?
黒木先生
正常と異常の定義にもよりますが、ここでは「医療の介入が必要」な状態を異常と捉えて話を進めてみます。まず、睡眠の問題で言うと、機嫌が悪くて寝つきが良くないというケースがよくあります。そのようなときには何か疾患が隠れている可能性もあるため、小児科医に相談してみるといいでしょう。特に、夜泣きはお父さんやお母さんの疲労の原因になります。周囲の疲労を軽減するためにも、小児科医に相談することをおすすめします。
編集部
子どもにしっかり睡眠を取らせるには、どうしたらいいのでしょうか?
黒木先生
子どもをよく寝かせるには、子どもだけでなく、両親側も早寝早起きすることが大切です。家族の生活リズムを整えることで、子どもの睡眠の質も上がります。もし、生活時間が不規則だったり、ライフスタイルが夜型だったりする場合には、生活習慣を見直してみるところから始めましょう。
編集部
食事についてはいかがですか?
黒木先生
食欲が落ちているということは、なんらかの疾患により体調が悪い証拠かもしれません。また、むせる、吐きやすい、食事に時間がかかるという場合には、嚥下機能の問題があるかもしれません。加えて、偏食が強い場合には、感覚が過敏という特性が関与している可能性もあります。いずれにしても、親が適切に判断するのは非常に困難なので、ひとまずかかりつけの小児科医に相談してほしいと思います。
編集部
食事中にタブレットやスマートフォンを見せるのは、やめた方がいいのでしょうか?
黒木先生
メディアへの暴露は、子どもが小さいうちは避けるべきだと考えます。特に小さい頃は、言葉の意味が分からなくても脳への刺激が非常に強いので、睡眠の質を妨げたり、言語の発達を遅らせたりするデメリットがあります。また、メディアへの暴露が著しい子どもは、脳の発達が遅れたり、イライラしやすくなったりする傾向にあります。脳の健康を考えれば、本来は子どもだけでなく大人もメディアへの暴露を控えた方がいいと思いますが、少なくとも脳の成長において重要な時期である3歳までは、できるだけメディアに触れさせないようにしましょう。メディアの代わりに、積極的に話しかけてあげて、会話を通して子どもの脳や心、言語の発達をサポートすることが大切です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
黒木先生
乳幼児の時期は、親との触れ合いを密にすることが大事です。特に子どもがある程度大きくなって共働きになると、子どもと接触する時間が少なくなり、どうしても触れ合いの時間を持つことが難しくなります。そのため、夕食の時間と睡眠前は、親子のコミュニケーションにおいて重要なタイミングです。その時間に楽しく会話をしたり、本を読み聞かせたりすることで、子どもと大人のコミュニケーションが図れることに加え、睡眠の質の向上や言語機能の発達においても重要な意味を持ちます。まずは、家族が会話をしながら楽しい時間を持つことを意識して、その上で「おかしいな」と感じることがあればかかりつけの小児科医に相談してみましょう。
※この記事はメディカルドックにて<【親必見】ウチの子「発達障害」かも… 正常・異常な行動の基準・避けるべき習慣を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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