肺がんの初期症状
肺がんは、進行するまでに症状が現れないことも多いですが、なかには以下のような症状が現れる方もいます。
咳や痰
肺がんの症状として、最も多くみられるのが咳と痰です。風邪を引いているわけでもないのに、2週間以上続く咳や痰がある、あるいは血痰が出る場合は、呼吸器内科や内科を受診しましょう。
発熱
気管支に肺がんが発生し、空気の通り道を塞ぐことによって閉塞性肺炎という病気になることがあります。すると、肺炎となり、咳や痰、高熱が出ることもあります。
発熱が5日以上続く場合には、放置せず医療機関を受診しましょう。
胸痛
肺がんによって胸に水がたまったとき、あるいは肺がんが肋骨や神経にも及んだときに、胸痛が現れることがあります。がん以外の肺の病気(肺炎など)や、食道、心臓の病気などでもみられる症状です。こちらも放置せず、医療機関を受診しましょう。内科あるいは呼吸器内科、消化器内科、循環器内科が適切と考えられます。
肺がんになりやすい人の特徴
肺がんになりやすい人には、以下のような特徴があると考えられます。
タバコを吸っている
喫煙は肺がんのリスクを高めます。今タバコを吸っている方は、なるべく早めに禁煙するようにしましょう。現在吸っていない方は、喫煙を開始しないようにしましょう。
禁煙が自分自身の意思だけでは難しい場合、禁煙外来などで専門医に相談することも有効です。
アスベストなどに曝露する仕事をしていた
以前は、ビルなどの建築工事で、保温断熱目的でアスベストを吹き付ける作業が行われていました。また、保温材や断熱材として使用されていましたが、現在では、製造ならびに使用は禁止されています。アスベストに曝露するような仕事をしていた場合には、アスベスト肺や肺がん、悪性中皮腫などが発生するリスクが高まります。もしご不安な場合には、お近くの労災病院などの専門医療機関に相談するようにしましょう。
肺結核の既往がある
肺結核は、結核菌という細菌が原因となる病気です。呼吸器内科で治療が行われます。
肺結核と診断されてから、診断後2年以内に肺がんにかかるリスクが約5.0倍に増加するという報告もあります。さらに、その後も約1.5倍から3.3倍、肺がんになるリスクが高まったままになるとも報告されています。
もし肺結核と診断された場合は、長期間にわたる投薬治療、定期的な診察が必要となるケースが多いと考えられます。きちんと医療機関でのケアを受けることで、肺結核の状態はもちろん、ほかの病気についても早期発見することが可能となるでしょう。

