【ネタバレあり解説】夢の完成度のアマプラ『プロジェクト・ヘイル・メアリー』にツッコミます

【ネタバレあり解説】夢の完成度のアマプラ『プロジェクト・ヘイル・メアリー』にツッコミます

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、ネタバレ上等な私見&本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」
Prime Video『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

story グレース(R・ゴズリング)が目を覚ますとそこは2名の遺体がある宇宙船の中。自分の名前すら思い出せない彼は、状況に対処していくうちに徐々に記憶を取り戻す。彼は太陽の異常で地球が滅亡に向かうのを阻止するため、いちかばちかのミッションで宇宙に送り込まれた中学校の科学教師だった……。
監督:フィル・ロード、クリストファー・ミラー/出演:ライアン・ゴズリング、ザンドラ・ヒュラー、ライオネル・ボイス、ケン・レオン ほか/配信:Prime Videoにて見放題独占配信中
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ツッコミ入れさせていただきます

公開されたときも紹介したものの、Prime Videoで配信されてすぐにおかわりし放題してますのよ、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。だってー、ほんっとに面白いんだもん。何度観ても愛おしい映画。それに、夏休み真っ只中、いわゆるSF超大作がないじゃない! 人魚のアレとか半身半人のアレとかクモ男のアレとかいろいろやってますけど(そのどれも面白いんですけどね……)、あえてのおうちシネマよ(単にあたしがインフルエンザで寝込んでいたということもあるんですが……そろそろ流行るっぽいから皆さんもお気をつけて)。すでに一度ご紹介しているので、内容は割愛。ツッコミ回にしちゃうわYO。


 

地球パートでグレースの着ている服がいちいち可愛いというのも見どころです(ちなみにこの後登場するフォックスのカウチン手編みキットは売り切れたそうです)。

何度観てもいいわ、と思うのが、原作の進行展開とほぼ同じってことね。小説版に夢中になったのはそこだもの。グレースが記憶喪失で宇宙の果てで目が覚めるところから始まり、自分が何者かを思い出すや否や宇宙生命体=ロッキーと接近遭遇。持てる科学の知識をフル稼働して、ロッキーとの意思疎通に成功して、互いの共通の目的を果たすために手を組むけど、グレースの記憶は不完全……ってところが、長い小説なのに一文字も見逃さず先に進めたい! って思わせてくれた原因だもの。どんな小説も映画化するにあたっては、何かを削ぎ落とさないと尺が延び延びになって間延びしちゃうから、だいたい展開を変えたり設定を変えたり、はたまたエピソードをゴソッととっちゃったり。それがこの作品だとあまりないのよね(この「あまり」ってのもポイント)。だもんで、原作ファンにとっては夢の完成度。読んでいたときの緊張感をそのままに鑑賞できて、しかも結末も展開も知っているのに映像のパワーで食らいついちゃうの。あーん、原作ファンの監督に大感謝。

で、ツッコミ。変更点は「あまり」ない、と申しましたが、ちょっとはあるのね。そこが賛否分かれるところだと思うのよー。削ぎ落としちゃったなかでも残念だったのは2つ。ひとつ、グレースとロッキーの会話成立までの四苦八苦。ふたつ、死にかけロッキーのくだり。


 


まずひとつめ。ロッキーの言葉(ちょっとしたハーモニー音)が分からないグレースが、パソコンに音声パターンを記憶させて、英語に符合させていくっていうくだりなんだけど、映画だとこれが豪速。あっという間に会話できるようになっちゃうのよ。ところがロッキーとの出会いから意思疎通までに割かれたのは60ページくらい。すげー苦労してんのよ。ふたつめ。惑星エイドリアンの大気にいるタウメーバ採取のためにヘイルメアリー号を危険にさらしたことで、ロッキーがヘイルメアリー号の気圧と気温に出てきちゃう&それで死にかけるのね。映画でも小説でもこの物語で最大の見せ場なので、ページ数は言いますまい。それもあっという間。


 

これが原作者のアンディ・ウィアー先生。ヘイルメアリー号の撮影セットにもいらしてたのよ〜。

といったものの、これ、どうしようもないのよね……。ここ削らないと映画が5時間くらいになっちゃうから(だって、グレースが自分がなんで宇宙にいるか思い出すまでだって、映画だと数分なのに、文庫版小説だと80ページくらいあるんだもの)。これを言い始めちゃうときりがないのよねー。グレースの回想シーンで地球にいたときのシーンがちょいちょい出てくるけど、それもかなり割愛してるし(でも、これは削って正解。めちゃ科学の授業になっちゃう)。と、おかわりしまくってしまったから出てきちゃったどうでもいいツッコミでした。暑すぎて劇場に行けぬ、とか、あたしのように「体温のほうが外気温より高い……」となった方は、これを機にトライよ。

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