
郵便配達員たちは毎日、町の隅々まで郵便物を配達して回っている。そんな郵便局員たちが実際に経験した不思議な話や怖い話を漫画化したのが、現役の郵便局員である送達ねこ(@jinjanosandou)さんが描いた『郵便屋が集めた奇談』だ。今回は、I支店で働くKさんが実際に経験した背筋が凍る体験を描く『開かないポスト』を紹介する。



その日、Kさんはクリックポストの配達に行っていた。しかし、ある部屋のドアポストがなぜか開かない。いつもなら簡単に開くはずなのに、ポストの中が何かでいっぱいなのだろうか。不在票を置いて荷物を持ち帰るか悩んだが、以前その部屋の住人からクレームが入ったことを思い出し、「早くほしいよな」と心の中で共感して、力ずくで荷物を押し込むことにした。しかし翌日、アパートを通りかかったKさんは、怪奇現象よりもおぞましい真実を知ることになる。
■ドアの向こうにある現実
今回の漫画について「あとで理由を知って、恐ろしさに震えた話」と紹介している著者の送達ねこさん。同僚の体験について、配達時には中でそんなことが起こっているとは想像もつかないため、後になるほど震えがくる体験だったと語る。
「ドアの向こうには、その家の人の日常が普通にあると思っていたので…。ポストを通して、目には見えないけれど触れた現実なので、配達員にはずっと忘れられない出来事だと思いました」と振り返った。
■配達員たちのリアルな実情
1人でさまざまな家を訪ねる郵便局員にとって、安全確保は最優先事項だ。配達員は連絡用の端末を携帯し、全員が帰局するまで役職者が待機しているという。送達ねこさんは「女性職員にとって危険が予想される場合なども、行かないよう配慮されることがあります」としつつも、過酷な実情を明かす。
「殺人事件があったところでも郵便があれば行くのですが、配達員たちは『幽霊が出るよりも、犯人がまたやってくる方がずっと怖い』と言っています」
本作を読んだ読者からは、「あの重みは…って同じような郵便受けに手紙入れる度に思い出しそう」といった声や悲鳴がコメント欄をにぎわせた。どんなトラウマを抱えようと、配達先を避けて通ることはできない。ネット通販が日常となった現代、どんな場所にも届けてくれる配達員には感謝しかない。日本のどこかでひっそりと起こっている“怪異”を、ぜひ覗き見してみてほしい。
取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)
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