みりちゃむ、朝ドラ「おむすび」出演を運んだ保護猫おむすびくん 猫との生活のモットーは「猫がしたことは全て人間が悪いので怒らない」

みりちゃむ、朝ドラ「おむすび」出演を運んだ保護猫おむすびくん 猫との生活のモットーは「猫がしたことは全て人間が悪いので怒らない」

モデル・タレントで活躍のみりちゃむ
モデル・タレントで活躍のみりちゃむ / ※提供写真

日本では2月22日が「猫の日」として有名だが、8月8日も「世界猫の日(International Cat Day)」として世界的に制定されている。近年の猫ブームで猫との暮らしを始める人、猫の保護活動を始める人も増えているが、現実には様々な苦労が生まれるものだ。責任ある飼い主になるには、保護活動をするには、どんな準備と心構えが必要になるのか。「嗚呼!!みんなの動物園」(日本テレビ系)での保護活動の様子が人気となっているモデル・タレントの“みりちゃむ”こと大木美里亜に、日々の猫との暮らし、保護活動にまつわる実体験、そして、猫が呼び込んだ朝ドラ「おむすび」(NHK総合)出演について語ってもらった。

■「嗚呼!!みんなの動物園」での様子は本当に普段の日常

――「嗚呼!!みんなの動物園」でのみりちゃむ家の保護猫預かりの様子が人気です。番組の撮影を始めてみてどうですか?

最初、これだけ家にカメラがあるってどんな生活になるんだろうとは思いましたけど、始めてみたらそんなに気にすることもなくなりましたね。普通に家の中を撮っているだけなので、「これが仕事でいいの?」という感覚でやらせてもらっています。

――あれが、みりちゃむ家のそのままの日常ですか?

本当にそのまま、普段の家の様子ですね(笑)。ただの家の日常が仕事になるというのがいまだにちょっと不思議な感覚です。

――他の方のコーナーも面白いですが、みりちゃむ家の場合は、多頭飼いでの保護活動の様子がよく分かるのがいいですね。

それはありますね。保護の現場も家の中も、自分たちがバタバタしていると撮ってお見せするという機会がなかなか作れなくて。それをテレビという場で発信できるのはありがたいなって思います。

――見ているとだいぶ引っ掻かれているようですが、ケガをすることはないのですか?

ありますけど、全然大丈夫です。うち、結構シャーシャー猫が来ますし、先住のパン粉はもっとひどかったので、番組での預かり猫は序の口です。破傷風やパスツレラにはちゃんと気を付けていて、ただの生傷なら別に死にもしないし、なんなら顔面やられて縫ったこともあるくらいなので、慣れっこですね。

■保護活動で一番大変なのは、じつは人間関係

――猫の保護活動は始めてどれくらいになるのでしょうか?

一番上のパン粉が今6歳なので、猫を飼い始めてから6年になります。でも、パン粉は私ではなく、父が拾ってきたんですよ。うちは小学生のときにハムスターとウサギを飼って、それから犬(のこむぎ)が来て、その後にパン粉が来ました。

保護活動を始めたのはもう少し後で、3年前くらい。きっかけは地元の幼なじみから、「今、車で猫を轢きかけたから見に来て」と連絡が来て、捕まえた子猫がてんぷらです。それから自分で野良猫を拾ったり、後輩や地元でレスキューの連絡が来たりしたことで、保護活動を真剣に考えるようになりました。

――今は何匹見ているのですか?

うちの猫と番組での預かりを合わせて9匹ですね。見ての通り毎日ドタバタしていて賑やかです(笑)。

――保護活動をしていて、何が大変になりますか?

うちのように多頭飼いだと、まず家は空けられないですね。犬猫を飼ってからは、旅行はもちろん、気軽に家族で遠出はできなくなりました。月々の出費も大きくて、うちの場合はご飯、トイレといった固定費だけで少なくとも4万円ぐらいは飛んでいきます。その上で、医療費ですよね。やっぱり保護する子って体調が万全でない子が多くて、朝起きたら片目が開いていないなんてこともあって、急な医療費もけっこうな額が必要になってきます。

でも実は、一番大変なのは保護をする前の人間関係かもしれません。近隣の方や敷地の方にしっかりお話をして許可をいただかないといけませんし、中には保護の現場を邪魔しにくる人もいます。人と人が一番難しいなって思います。虐待があった現場も難しくて、証拠がなければ警察は取り合ってくれないので、どうにもならなかったケースもありますね。

■保護活動は人間に余裕が必要「自分のキャパはちゃんと設けて」

――猫ブームと動物番組などの影響で、猫を飼いたい、保護活動を始めてみたいという方が増えていると思います。一方で、結局飼いきれずに遺棄したり、多頭飼育崩壊というニュースもよく目にするようになりました。

動物はモノじゃないから、飼う以上はちゃんと責任を持ってほしいのと、保護活動で大事なのは、最終的に里子に出すという出口なんですよね。猫ブームが来て、ある意味、“保護”がブームのようになっているところもあるじゃないですか。そのせいでアニマルホーダーになってしまう人が多くいるように感じていて。

保護活動はすごくいいことだと思いますけど、やっぱりまず経済面、精神面で人間がしっかりしていないと保護ってできないんですよね。そこを考えずに頑張ってしまうと、お世話がつらくなってメンタルがやられてしまったり、お金で切羽詰まったりになるのかなと思います。

――「可愛い」「かわいそう」だけではできないのが保護活動。

「可愛い」「かわいそう」だけだったら、私は目に入る野良猫全部とっ捕まえてあげたいのが本音です。でもそれはできなくて、ちゃんと優先順位をつけないとダメなんですね。まずは自分のこと。自分の生活が安定していることが前提で、その後に助けるべき順番で猫を助けていくようにしないと。私も自分のキャパはちゃんと設けています。

私に関しては家族が一緒にやってくれるから成り立っている部分がすごく大きくて、これが一人だったら体力も精神も大変だし、やっぱり収入面が厳しいだろうなって思います。私は人間のほうに余裕がある状態でないと、どれだけ助けたい子がいても手を出さないほうがいいと思います。

――こんなことから始めてみたらどうか、というアドバイスはありますか?

それこそ「嗚呼!!みんなの動物園」で私もやらせていただいている、預かりさんから始めるのもいいんじゃないかなと思います。施設からの協力をもらいながら、無理のない範囲でできますし。ただ、本当に猫や犬を飼ったことがない人はいきなり預かるんじゃなくて、施設のお手伝いから始めるのが一番いいと思います。お掃除みたいなところから手伝って、お世話や保護のことを知って、知識を付けることも大事だと思います。

■名前をおむすびにしたら朝ドラ「おむすび」が来た

――大変なことばかりをお聞きしていますが、それでも保護活動を始めて良かったと思うことはありますか?

とにかく毎日が楽しいですね。毎日きれいに掃除して、誤飲を防ぐために片づけをして、家の中の環境もすごく良くなりました。何より精神的な安定というか、猫がいることで癒されています。猫がいない生活ってもう考えられないですね。仕事でホテル泊りになると、猫がいないから「何しよう…?」ってなるぐらいです。

――「嗚呼!!みんなの動物園」のように、猫が繋いだお仕事やご縁といったものはありますか?

それこそ朝ドラの「おむすび」ですね。これ、本当にオーディション前のことなんですけど、後輩からの連絡で引き取った子猫の名前をおむすびにしたんですよ。そうしたらその後に「おむすび」のお話が来て、出演が決まって。それは本当にすごい偶然だなと思いました。

――おむすびにしたら「おむすび」が来るってすごいですね。

しかも最初はおにぎりにするつもりだったんですけど、おむすびのほうが可愛いよっていうことで変えたんですよ。こういう縁って本当にあるのかなと思ってしまいます。

――ちなみに、おむすびくんは今も元気なんですか?

メチャメチャ元気です(笑)。

――「おむすび」への出演は、ご自身にとってどんな経験になりましたか?

それまで演技のお仕事は中学時代に一度舞台をやったのと、ドラマのちょい役くらいしか経験がなくて、しっかり役名があって、あれだけ出番のある初めての役が朝ドラというのが信じられなかったですね。共演者の方々も皆さんすごくいい方々で、仕事の方向性を考え直すようなきっかけにもなりました。

――それまで俳優業は考えたことはなかったわけですか?

全くなかったですね。私はモデルがやりたくてこの業界に入ったので、テレビに出たいという考え自体をまるで考えてもいませんでした。それなのにいきなり朝ドラだったので、何か思ってもいない人生を歩み出した気分です。「おむすび」は普段のギャルのまま、一番私にとってはやりやすい役だったというのもありますけど、すごく楽しい時間だったのは確かなので、今後も機会があれば演技の仕事も挑戦したいですね。

――例えばやってみたい役はありますか?

獣医とかやってみたいですね。これだけ生傷があるので役に活かせるんじゃないかな(笑)。

■不思議な縁で広がる仕事「思ってる未来と反対方向」

――もう一つ、DRAW MEの活動もありますね。過去にはアイドルを辞めているみりちゃむさんが、DRAW MEでアイドルをしているというのも面白い縁に思えます。

アイドル(というより育成プロジェクトみたいなの)は中学生のときの話ですけど、当時は芸能も入りたてで、自分の立ち居振る舞いが分からないっていう状況でもあったんですよね。アイドルだから可愛らしく、キャピキャピしなきゃいけないのが自分的には無理で辞めたんですけど、DRAW MEでは素の自分でいられるのが楽で、もはやそれを求められている(笑)。変な猫かぶりをしなくていいのがありがたいですね。あとはメンバーの仲がすごくいいのも。結構な頻度でグループラインでやり取りしていて、個人でもよくご飯に行くくらい楽しくやっています。

――今ご自分のお仕事や人生の中でDRAW MEはどんな存在になっていますか?

もう、なくてはならないものになってきています。メンバーは家族ぐらい仲が良いし、DRAW MEが始まっていなかったら、メンバーたちとここまで仲良くなれていなかっただろうなと思います。DRAW MEはこれからの人生の大きな糧になっていくんだろうなと感じますね。

――お話を聞いてると、なにか不思議な歩みですね。アイドルを辞めて、モデルを始めて、保護猫から朝ドラが決まって、またアイドルも始めて。

そうですね。DRAW MEの『素直でごめんね』に「思ってる未来と反対方向」というフレーズがあって、本当にそれだなと思いながら生きてます(笑)。

――本業のモデルも含めて、今後どのようなお仕事をしていきたいですか?

モデルに関しては、ファッション撮影はもちろん、大きなランウェイのようなお仕事は引き続きやっていきたいです。これは人生を通してずっとやっていきたいお仕事です。私は“どうなりたい”という目標を立てるのがすごく苦手で、「考えたところでなー」って思っちゃうんですよね。そのときそのとき、手が届きそうなところでお仕事をしていく感覚なので、ゆっくり階段を登れればいいかなと思います。

■私のモットーは【猫がしたことは全て人間が悪いので怒らない】

――最後に、8月8日の世界猫の日ということで、猫が好きな人たちにメッセージをお願いします。

猫ちゃんは人間に比べると短い猫生なので、生きている限りできることをたくさんしてください。私のモットーに【猫がしたことは全て人間が悪いので怒らない】というのがあって、「うわ!」ってとんでもないことをしでかすときもありますけど、心を広く持って接してあげてほしいです。

保護猫に関しても、やっぱり可愛いだけで保護せずに、しっかり最後まで、後先を考えてから行動するようにしてくださいというのは伝えたいですね。

※DRAW MEは「DRAW※ME(※はハートマーク)」が正式表記

◆取材・文=鈴木康道

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