
「シロさん」「雪ちゃん」「大福さん」「わたあめさん」…彼女にはたくさんの名前があった。古い家に住んでいる彼女は、色白で白髪。いつも白色の着物を着て縁側に座るかわいいおばあちゃんだった。名前を尋ねると「好きに呼んでくれていいわよ」と言う。町内の人たちは彼女のことを、その見た目から“白”になぞらえた思い思いの名前で呼んでいた。
本作を描いたのは、2013年に「王国の子」で「ブロスコミックアワード大賞」を受賞したのち、2014年に「真空融接」が単行本化されて漫画化デビューしたびっけ(@BK0418)さん。
初受賞作「王国の子」を経て、全14巻で完結を迎えた「極彩の家」や、全10巻の「エイラと外つ国の王」など、数々の情緒豊かな代表作を持つびっけさん。2026年4月には新連載「チャンネル・ヴァンパイア」をスタートさせ、大きな注目を集めている。本作「わたしは名前がたくさんある白」は、2024年7月に「第1回マンガノ大賞」の最終候補賞を受賞した話題作だ。びっけさんに本作について話を聞いてみた。
■3回読んだら3回とも涙腺崩壊



本作「わたしは名前がたくさんある白」は、主人公である“おばあちゃん”の目など細かい描写が多いが、作者のびっけさんのお気に入りのシーンを伺うと「入試結果を見たあとに雪の中をサチさん(おばあちゃん)のところに駆けつけた少年の表情と、サチさんの本当の姿です(だいぶ終盤ですが)。このシーンを目指して描きました」と教えてくれた。
繊細な作画とストーリー描写に、読者から「なにこれ泣ける」「涙腺崩壊」「だめだ泣く」「こういう話は泣けて泣けてしょうがない!」という声が寄せられた本作。コメントの中には“名前がたくさんあるおばあちゃん”の正体についても考察されており「○○かと思って読んでいたけどそっちか!」「△△じゃなかったのか…!」と、ラストに向けてストーリー考察が盛り上がっていたことも伺える。
とある古い家に住んでいる真っ白なおばあちゃんと道行く人々との何気ない交流を描いた本作は、一時期紙の本が売り切れになってしまうほどの人気を博した。しかし、現在は購入可能とのことで、びっけさんは「COMITIAというイベントにも参加していますのでこちらでもお求めいただけます」と教えてくれた。
最初はこの真っ白なおばあちゃんは一体何者なのか…?そもそも人に視えている存在なのか?などさまざまな想像が頭を過る!結末を知ったうえで何度も読み返したくなる温かいストーリー。ぜひ読んでみてほしい。
取材協力:びっけ(@BK0418)
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