霊的なものだけに恐怖を感じるとは限らない。満場一致でコワいと認定された意外な体験【コワい体験談12(完)】

霊的なものだけに恐怖を感じるとは限らない。満場一致でコワいと認定された意外な体験【コワい体験談12(完)】

前回の話

特別仲が良いわけではないけれど時々集まる陽子さん、和子さん、佐藤さん、そして山田さん。年齢も趣味もバラバラな4人には、不思議な体験をするという共通点がありました。この日も夜のファミレスに集まり、最近あったコワい体験談を語り合います。最初に話したのは和子さん。なかなか泣き止まない息子誠くんを喜ばせようと、電車を見せに行った時のこと。走る電車の窓に、びっしりと赤い手形がついていました。続いては、コワい話に定評のある山田さん。深夜のコンビニで雑誌を読んでいると、自動ドアがひとりでに開き、明らかに人ではない何かが背後を這うようにトイレへ向かっていきました。その後、同じトイレに入ったトラック運転手にその何かが憑くと、何事もなかったかのようにコンビニを後にしたそうです。3番目は佐藤さんの体験談。バスの中で突然体調を崩し、降りた先で偶然見つけた病院で休むことにしました。吐き気を感じてトイレへ向かおうとすると、なぜか近くのトイレではなく、ひとつ奥にあるトイレへ体が導かれるように進んでいきます。すると、さっきまでの体調不良が嘘のように治まり、その後バスに乗ると肩に感じていた重みも消えていました。佐藤さんは、自分に憑いていた何かがバスに乗りたかったのではないかと話します。そんな不思議な話をしていると、テーブルの上になぜかもうひとつ水の入ったコップが置かれていたのでした。傍から見れば不気味ですが、4人の間ではこれもよくあること。陽子さんは気を取り直して、最近身の回りで起こったコワい話を語り始めたのでした。

霊的なものだけが恐怖じゃない?

和子さん、山田さん、佐藤さんと続き、次はいよいよ私の番。私も何かを引き寄せてしまう体質なのか、身の回りで不思議な出来事がたびたび起こるので、どの話をしようか迷ってしまいます。考えを巡らせていると、ふとひとつのエピソードが頭に浮かびました。

あれは、食料品を買いにスーパーへ向かったときのことです。「よし、これで買いたいものは全部買えたな」そう思いながら出入口を出ると、目の前を歩いていたおばあちゃんが、突然つまずいて転んでしまいました。

私は慌てておばあちゃんに駆け寄り「おばあちゃん大丈夫?」と声をかけました。幸いケガはなく、意識もしっかりしているようで「えぇ」と返事をしてくれましたが、その後いくら話しかけても虚ろな表情のまま何かをつぶやいているだけ。やっぱりどこか打ってしまったのでは・・・と不安になります。

なかなか立ち上がらないおばあさんを見て心配したのか、いつの間にか周囲には様子を見守る人たちが集まってきました。するとその時、おばあさんが突然「私の名前、何だったかねぇ」と口にしました。その言葉を聞いた瞬間、サァーっと血の気が引きます。

その後もおばあちゃんは、「私の住所は何だったかねぇ」「私は今、何歳だった?」と、次々に私へたずねてきました。あの時は本当に怖かったです。幸い、転んだ衝撃で一時的に記憶が飛んでしまっていただけだったようで、おばあちゃんの記憶はすぐに戻りました。

「ね、コワいでしょ?」そう言うと、その場にいた3人は大きくうなずきました。こうして私の話は、満場一致で「一番コワかった話」に認定されたのでした。

コワいと感じるポイントは人それぞれですが、おばあさんが転んだことをきっかけに、一時的に記憶が飛んでしまったという出来事が、この4人にとっては一番コワかったようです。霊的な怖さとはまた違いますが、これもある意味『コワい話』と言えるのかもしれませんね。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:八雫 紫苑 編集:石野スズ
作画:きちやん

配信元: ママ広場

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