
貧困の村から生贄として、残忍な王のもとに1人の少女が差し出された。覚悟を決めていた彼女だったが、王のひと言に唖然としてしまう。「生贄(いけにえ)制度は廃止になっているぞ」――なんと獣人と人間が共存するこの世界でも、社会変革が起きていた!作者である國里さんにストーリーの見どころや注目してほしいキャラクターについて話を聞いてみた。
■少しずつ変わっていく少女の心



「食べるか殺してください」。そんな切ない願いから始まる本作「おいしい生贄のはずだった。」は、生贄として獣人の王のもとへ送られた少女・ニナが、本当の居場所を見つけていく心温まるファンタジー作品だ。村のために命を差し出す覚悟を決めたものの、王から告げられたのは「生贄制度は廃止になっている」という思いもよらない事実。さらに「痩せすぎていてマズそうだ」と食べることまで断られ、ニナの運命は大きく動き始める。
王宮で始まったのは、食べられるためではなく健康になるための“デブ活”。三食におやつ付きという穏やかな暮らしの中で、ニナは獣人の王や王宮の仲間たちの優しさに触れ、少しずつ生きる希望や自己肯定感を取り戻していく。魅力的なキャラクターたちとの新たな出会いも描かれ、温かい世界観に思わず引き込まれてしまう。
作者の國里さんは、「自分自身が癒やされたくて描きました」と制作のきっかけを語る。複雑で重い物語ではなく、安心して読めて心が穏やかになる作品を目指し、大好きなモフモフの獣人たちや、最後には誰もが報われる世界を描いたという。また、お気に入りのキャラクターは隣国の王子・エヴァネルで、「もっと嫌な人間に描こうと思っていたのですが、“少し抜けてるおバカな王子”という設定にしたら、頑張って嫌味を言おうとしてる姿もかわいく思いながら描いていました(笑) 」と笑顔で振り返った。
読者からも「やさしい世界」「かわいい」「最高です」 といった声が寄せられている本作。疲れた心をそっと包み込んでくれるような優しい物語を、ぜひ読んで欲しい。
取材協力:國里
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