妊娠中の話です。転院により無痛分娩ができなくなったことを義母に電話で伝えると、信じられないことを言われました。
私の希望が叶わなくなったのに、喜ぶ義母
私は妊娠中、諸事情で産院を変えることになりました。ずっと無痛分娩を希望していたのですが、その病院では無痛分娩はできず、自然分娩を選択することに。そのことを義母に電話で報告すると、「あら、無痛分娩できなくなったの? それはよかったわ! あ〜安心した」と、なぜかとても喜んだのです。私はわけがわからず、理由を聞きました。
すると「だって、出産の痛みは女性にしか経験できない貴重なことじゃない。無痛分娩なんてもったいないわよ」と、まるで当たり前のように言い放ちました。「最初は無痛分娩って聞いてびっくりしたけど、ほっとしたわぁ」とまで言われ、出産を控えた私にとって、その言葉はあまりにも心に刺さるものでした。
そしていよいよ出産当日、緊急帝王切開となりましたが、無事に赤ちゃんが生まれました。疲れ果てた体で横になっていると、義母からLINEが届きます。「元気な赤ちゃんを産んでくれてありがとう。緊急帝王切開になったのね。最後まで自力で産めずに残念ね。まぁ、何はともあれ無事に生まれてよかったわ。夕方、会いに行きます」という内容でした。
「最後まで自力で産めずに残念」という言葉……。出産直後の私には、あまりにも堪える内容でした。しかも、その日の夕方には予告どおり義母が親族5人を引き連れ、病室にやってきました。体がつらい中、突然の大人数の訪問に対処することもできず、ただ呆然としてしまいました。
さらに心に引っかかっているのが、「産んでくれてありがとう」という言葉です。義母としては、赤ちゃんが無事に生まれたことへの感謝を伝えたかっただけなのだと思います。しかし、あくまで私自身の出産であり、義母のために産んだわけではありません。出産直後で心身ともに余裕がなかったこともあり、その言い方にも釈然としない気持ちが残りました。
退院後、家に帰ってからこのことを夫に話すと、夫はすぐに義母に電話をかけ、「母さんあのさ、どんな出産方法だって命がけだし、尊いものなんだよ。それなのに無痛分娩はよくないだの、帝王切開で残念だのって、何を言ってるんだ。最低だよ! 妻に謝れ!」と、珍しく強い口調で義母を責めたのです。
電話口で義母は「そんなつもりじゃ……」と言い訳しようとしているのが聞こえましたが、夫は「いや『そんなつもりじゃない』とかじゃないだろ。デリカシーがなさすぎる! 妻がどれだけ傷ついたか考えろ!」と譲りませんでした。結局夫は怒って電話を一方的に切り、義母はその後、私に「傷つけてしまってごめんなさい」と謝罪のLINEを送ってきましたが、許す気にはとてもなれませんでした。
この経験を通じ、出産という命がけの行為に対して、他人が軽々しく「よかった」「残念」などと評価すべきではないと強く感じました。特に、妊娠中や産後は心身ともに極めてデリケートな時期。どんな言葉が相手を傷つけるかを想像する力が、人間関係においてどれほど大切かを改めて実感しました。
無痛分娩も帝王切開も、母親と赤ちゃんにとって最善の選択をした結果だと思います。出産の形に優劣はなく、どんな方法であってもすべての出産は尊いものだと、再認識した出来事でした。
著者:板崎 美佳子/20代女性・会社員
1歳の息子の育児に奮闘中の新米ママ。趣味はサブスク動画を見ること。
作画:たかだきなこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)

