警察沙汰の事件に発展
「この、親不孝者!」
父が急に動いたので、私はあまりにとっさのことで止められなかった。父は妹につかみかかり、殴ったのだ。
「なにすんだよ!」
まなもキレて、父ともみあいになった。
「やめて!2人ともやめて!」
私が父を押さえると、まなはあろうことか警察に通報した。
「警察ですか?父から殴られたのですぐ来てください」
なんと、一通のメッセージをきっかけに警察沙汰になってしまった。父と妹、そして私までが事情聴取を受けることに。まなは、目を真っ赤にして泣きながら、「父親から暴力を受けた」と訴えた。
父も顔に擦り傷を負い、憔悴しきっていた。最悪の結末だった。私の仲裁は、この殴り合いをさせるためだったのではない。家族を繋ぎ止めたかっただけなのに。
「なんでこんなことになったんだろう。私たち、普通の家族だったはずなのに」
警察署の冷たいベンチに座りながら、私は独り震えていた―――。
あとがき:父の暴力と警察沙汰
「さようなら」という言葉は重い言葉です。心配した結果、裏切られた父の心境は察するに余りあります。この一連の出来事の中で、家族の問題は「事件」へと発展してしまいました。
ほのかの「仲裁」の努力は、父と妹を最も醜い形で対立させる結果となり、彼女は深い絶望に打ちのめされます。警察署の冷たいベンチで震えるほのかの姿は、「家族」という言葉が持つ、脆く、そしてときに暴力的な側面を象徴しています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

