間サエコさんは、小学6年生の娘・姫子ちゃんを育てるワーママ。困っている人を見ると放っておけず、つい手を出してしまいます。
ある朝、電車内で後頭部が絶壁の赤ちゃんの頭を、断りもせず「押せば治る」とつかんだサエコさん。母親を怒らせた自覚がないまま、いいことをしたと上機嫌で帰宅します。ところが、市の不審者情報にサエコさんにそっくりな人物が……。姫子ちゃんに朝の出来事を話すと、「それは怖い」と拒絶され、ようやく事態の深刻さに気づきます。それでも、サエコさんは「待ち伏せして謝る」と理解不足な状態。夫の付き添いで警察署へむかうも、ひとりで事情聴取を受けることになり、沈黙に耐えきれず保身の言葉をこぼします。しかし、警察官から「相手に恐怖を与えたことが事実」と諭され、今後、一切接触しないことを条件に厳重注意となり、喜ぶサエコさん。その浮かれた様子に警察官はあきれ顔で相手の心情を説明します。その後、家族に愚痴をこぼすと今度は「反省してる?」と姫子ちゃんに問われ、苛立ちは増すばかり。続けて姫子ちゃんは「ママは発達障害かも」と、これまで抱えてきた思いを告白したのです。
※発達障害とは、脳の働きが関係する障害で、自閉症を含む広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害などいくつかの障害が同時に現れることがあります。年齢や生活環境などによっても症状は様々です。
サエコさんが原因で友達を失った姫子ちゃんは、サエコさんの言動に違和感を抱くように。その違和感を指摘されたサエコさんは、ショックを隠せません。さらに「お父さんは、思ったことないの?」と問いかけられた夫は、言葉を選びながら、「そんなわけないよ……」と意味深に答えるのでした。
夫は否定するも妻は…










夫は、サエコさんが発達障害である可能性を否定し、「性格だから」と病院に行く必要はないと話します。
姫子ちゃんは、サエコさん本人にも尋ねます。すると、発達障害である可能性を認めたくないかのように、夫は突然態度を一変。「行かなくていい!」「この話はこれでおしまいだ!」と、必死で話を遮るのでした。
発達障害も、その人が持つ特性のひとつ。もし何らかの特性があるのなら、それをきちんと知ることで、本人も周囲も困りごとと向き合いやすくなるかもしれません。それなのに、まるで発達障害である可能性そのものを受け入れたくないかのように否定する夫の姿に、姫子ちゃんはどこかモヤモヤした気持ちを抱えるのでした。
発達障害という言葉に抵抗を感じ、「性格の問題」と受け止めてしまう人もいるかもしれません。夫も、サエコさんを守りたい気持ちや、現実を受け入れたくない思いから、話を終わらせようとしたのでしょうか。
もちろん、発達障害があるからといって、サエコさんのような言動をするわけではありません。特性の現れ方は人それぞれで、周囲に気を配ったり、相手の気持ちを考えたりできる人もいます。
そのうえで、本人や家族が日常生活で困りごとを抱えているのであれば、ひとりで抱え込まず専門機関に相談してみることもひとつの方法です。診断を受けることだけが目的ではなく、自分の特性を知り、本人や家族がより過ごしやすくなる方法を見つけるきっかけになることもあります。
著者:マンガ家・イラストレーター ミント
