せなけいこのおばけ絵本|怖いけど癖になる名作5選

5.ドラキュラーだぞ

dorakyuradazo引用元:『ドラキュラーだぞ』(作:せなけいこ/小峰書店、1986年3月発行)(小峰書店公式サイト)

夜中に目を覚ましたうさぎの兄弟が土の穴の中で出会ったのは、なんとドラキュラ!

モンスターに出会ったというのに、兄弟たちは怖がりません。ドラキュラに血を持ってこいと命じられ、チーズにチョコ、チラシ寿司まで、「ち」のつくものを次々に持ってきて……。

怖さよりもおかしさが際立つ、ユーモアたっぷりの絵本です。

◆アートな見どころ
ドラキュラの黒いマントに、うさぎの兄弟が持ってくる赤いものの鮮やかさが際立ちます。
ページをめくるたびに増えていく赤が、いたずらみたいな楽しさを添えています。

まとめ

せなけいこさんのおばけ絵本には、怖さの中にあたたかさがあります。

貼り絵のやわらかな質感が、その怖さを包み込み、おばけたちをどこか愛らしく見せてくれます。

ユーモアたっぷりで読み終えるころには心がほっとする、せなさんの絵本をぜひ身近なアートとして楽しんでみてください。

参考文献
・せなけいこ『めがねうさぎ』ポプラ社、1975年2月発行
・せなけいこ『おばけのてんぷら』ポプラ社、1976年11月発行
・せなけいこ『ばけものづかい』童心社、1974年7月発行
・せなけいこ『くずかごおばけ』童心社、1975年8月発行
・せなけいこ『ドラキュラーだぞ』小峰書店、1986年3月発行
・朝日新聞社『せなけいこ展 展覧会図録』朝日新聞社、2019年発行

『ねないこだれだ』の絵の魅力とは?子どもがアートを感じられる絵本

「子どもがアートを感じられる絵本」を紹介する連載企画。今回は、ミリオンセラーの絵本『ねないこだれだ』でアートを感じられるポイントや、貼り絵で作られた絵の奥深さを詳しくご紹介します。

配信元: イロハニアート

提供元

プロフィール画像

イロハニアート

最近よく耳にするアート。「興味はあるけれど、難しそう」と何となく敬遠していませんか?イロハニアートは、アートをもっと自由に、たくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディアです。現代アートから古美術まで、アートのイロハが分かる、そんなメディアを目指して日々コンテンツを更新しています。