
8月3日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週月曜夜9:00-10:00、BS10)。今回のゲストは読売ジャイアンツ、横浜DeNAベイスターズで活躍した駒田徳広と、埼玉西武ライオンズ、巨人でプレーしたデーブ大久保だ。巨人時代に先輩後輩の関係だった2人が現役引退後の人生を巡って正反対の持論を展開し、MCの岡田圭右と上田まりえが思わず制止するほどの赤裸々なトークを繰り広げた。
■デーブ大久保、巨人移籍直後の食事の誘いに「これ踏み絵だな」
現役時代に巨人、横浜で活躍し、日本シリーズMVPなどのタイトルを獲得した駒田。引退後は東北楽天ゴールデンイーグルス、横浜、巨人でコーチや3軍監督を務めた。一方、番組2度目の出演となったデーブは西武、巨人でプレーし、引退後も西武や楽天、巨人で監督やコーチを歴任。近年はYouTubeでも人気を集めている。
駒田はデーブの先輩にあたるのだが、デーブが西武から移籍してきた際は「やっと明るい人が入ってきた」と感じたという。当時の巨人には野球へ真摯に取り組む真面目な選手が多かったと振り返り、「抜け出していくような人が欲しかったんでしょうね」と語った。
しかし移籍したばかりの当時のデーブは、巨人の選手たちからの好意を素直には受け止められなかったという。最初に宮本和知から食事へ誘われた際には、「これ踏み絵だな」と警戒したことを告白。トレード直後に誘いへ応じれば、周囲から“調子いいやつだ”と思われるのではないかと考えて一度は断ったという。
その後も、吉村禎章や駒田がフランクに接してくるたびに“踏み絵”ではないかと勘ぐっていたデーブ。だが吉村から2度目の誘いを受けて食事をともにすると、居酒屋にあったカラオケで“ショータイム”を披露することに。持ち前の明るさを発揮したことで、巨人のムードメーカーになっていったと明かした。
■藤田元司監督が駒田徳広に掛けた「背中に“しまった”って書いてあるぞ」
続いてデーブが巨人時代の駒田を象徴する話として切り出したのが、藤田元司監督が指揮を執っていた頃のヤクルトスワローズ戦での出来事だった。藤田監督は、些細なことでも駒田を褒めてくれる指揮官だったという。
たとえばある試合で駒田が放った打球がセカンド正面へ飛ぶ。アウトになると感じた駒田は走るスピードを緩めたが、野手がボールをはじいたため慌てて加速。しかし全力で走り抜けなかったことが災いして一塁には間に合わず、アウトとなった。
気まずそうにベンチへ戻った駒田は、藤田監督から離れた場所に座る。すると藤田監督は自ら駒田を手招きし、「駒田、背中に“しまった”って書いてあるぞ。でもまだ試合は4回だからな。勝負はこれからだからな」と声を掛けたそうだ。
感情に任せて叱責するのではなく、選手が後悔していることを察したうえで気持ちを次のプレーへ向けさせた藤田監督。駒田は感情を前面に出す自身の性格にも触れ、「頭ごなしに怒られたときは活躍してない」と自虐的に振り返ってスタジオを沸かせる。
ミスを責めるのではなく、選手の心理を見抜いて短い言葉で立ち直らせる藤田監督の指導法からは、駒田が長く第一線で活躍できた背景の一端もうかがえた。
■「野球選手は動物園の中の動物」デーブと駒田が引退後の人生で真逆の主張
2人の意見が大きく分かれたのが、「引退した今のほうが人生楽しい」というテーマだった。デーブは迷うことなく「めちゃくちゃ楽しい」と回答し、「野球選手は動物園の中の動物」と独特の表現で現役時代を振り返る。
その理由として野球に専念できる恵まれた環境が用意され、周囲から守られているにもかかわらず“威張ってしまう”ことがあると指摘。その感覚のまま引退後に世の中へ出て失敗する元選手も多いとして、「社会の方がよっぽど厳しい世界。そこで生きていられる自分が楽しい」と語った。
ところがぶっちゃけトークが止まらないデーブの隣で、駒田は「現役のときのほうが楽しいでしょ」と正反対の意見を主張。デーブの“動物園”という表現を否定し、「動物園じゃない、大きな湯船」と例えた。そして「夢を掴んだ者はこの湯船に入れる」と、プロ野球選手だけが味わえる特別な世界への思いを明かす。
さらに、「現役引退した日に、人生の3分の2が終わったんです。3分の1でなんとなく息してるだけ」とも告白。「来世も野球選手になりたい」というテーマでも、「大きな夢を見せてもらった」としみじみ語った。
ところが、その直後には「“夢を与えるために頑張ってます”っていう選手いるじゃないですか。お前に夢なんか与えられるか!」と一転して毒舌をさく裂。岡田から「キャスティング考えて」とスタッフへツッコミが飛ぶ中、駒田は「子どもに見せるのは、湯船に気持ちよく入ってる姿。(夢は)僕が与えるものじゃない」と真剣な表情で持論を語る。
引退後の人生を楽しいと捉えるデーブと、現役時代こそ人生の中心だったと考える駒田。意見は正反対ながら、どちらの言葉にもプロ野球という特別な世界で生きてきた実感がにじむ。遠慮のない本音と独特な例えが次々と飛び出し、2人の野球観と人生観が鮮明に表れた放送となった。

