主人公の優子さんは、母の「可哀想」という口癖に長年悩まされていました。母は、長女・まいちゃんが2歳でお姉ちゃんになったことや、帝王切開で生まれた次女・ゆいちゃんにまで“可哀想”と言い続けます。一方で、溺愛している弟・ノボルさんには「大事な長男だから苦労させたくない」という意味で“可哀想”という言葉を使い続けていました。やがてノボルさんが結婚を決め、彼女・綾乃さんを実家に連れてくると、母の“可哀想”は初対面の綾乃さんにも向けられてしまい……。
結婚のあいさつに来た綾乃さんに対し、母は手土産や学歴について「可哀想に」と失礼な発言を重ねてしまいます。綾乃さんは笑顔で受け流していましたが、ノボルさんは見過ごさず、「これ以上変なことを言うなら、二度と綾乃には会わせない」と母に強く釘を刺しました。
少しおとなしくなったかに見えた母。ところが、まいちゃんが大好きな絵本を持ってくると、今度はその絵本に反応します。お気に入りの一冊を何度も読んでいるだけなのに、母はまた「何度も同じ絵本を読ませているなんて可哀想」と決めつけ、嫌みな言葉を口にしますが……。
大好きな絵本を否定され、涙する娘。すると……















まいちゃんがお気に入りの絵本を持ってくると、母は「またその絵本?」と反応し、新しい絵本を買ってあげられないなんて可哀想だと言い出します。その言葉に、まいちゃんは「この絵本、だめなの?」と涙ぐんでしまいました。
そこへ綾乃さんがすっと入り、まいちゃんの絵本に明るく反応。まいちゃんが内容をよく覚えて説明できることを大絶賛し、さらに、何度も読んであげている優子さんの愛情まで受け止めます。母のひと言で曇りかけたまいちゃんの「好き」という気持ちを、綾乃さんの言葉がやさしく救うのでした。
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同じ絵本を何度も読みたがる子どもの姿を、「新しいものを買ってもらえなくて可哀想」と見ることもできるかもしれません。けれど、見方を変えれば、それだけ大好きな世界を楽しみ、言葉や物語を自分の中にしっかり吸収しているとも言えますよね。
大人の何気ないひと言は、子どもの「好き」という気持ちを曇らせてしまうことがあります。だからこそ、まずは否定するのではなく、その子が何を楽しみ、どんなふうに感じているのかを見てあげたいものです。身近な大人の言葉が、子どもの自信や安心につながるようにしていきたいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター 山野しらす
