中世の騎士と島の手仕事が旧市街へ 500年続く夏の市【クロアチア】

中世の騎士と島の手仕事が旧市街へ 500年続く夏の市【クロアチア】


クロアチア北部のアドリア海に浮かぶクルク島。その中心都市クルクでは、8月8日から10日まで「クルク・フェア-ロヴレチェヴァ」が開かれている。旧市街の広場や海沿いの通りに、伝統食品、手工芸品、音楽、中世の再現行事が集まる夏の催しだ。現在のフェアにつながる市は、聖ローレンスの祝日に合わせて1524年に開催が再確認されたとされ、500年以上の歴史を持つ。観光シーズンの最盛期に、町の歴史と現在の暮らしを同時に見せる行事でもある。


■ 見るだけでなく、手を動かす歴史体験

会場では騎士の装備展示や弓術、火を使ったショーに加え、粘土のペンダント作り、乾燥花の冠作り、蜂蜜を採る実演などが行われる。島に残るグラゴル文字を使った袋の装飾や筆記体験もあり、歴史を説明板で読むのではなく、自分で作り、触れる形で学べる構成になっている。子ども向けの騎士大会や街歩きも用意され、家族旅行でも参加しやすい。海外からの来訪者にとっても、言葉だけに頼らず地域文化へ入れる企画だ。


■ 土産物を地域の仕事につなげる

市場に並ぶのは、蜂蜜、オリーブ油、菓子、自然派化粧品、装飾品など、島や周辺地域で作られた商品が中心だ。出店者募集でも、地元産、手作り、土地固有の土産物が優先されている。観光地の祭りでは、どこでも買える商品が並びがちだが、クルクでは「この島で作られたもの」を前面に出し、来訪者の消費を地域の小規模な生産者や職人へ戻そうとしている。


■ 旧市街の日常と観光を重ねる

夜には海辺や広場で地元団体の演奏、民族音楽、人気バンドの公演が続き、すべてのプログラムは無料で楽しめる。中世風の演出だけに閉じず、現在の島の音楽や食、住民の活動を同じ通りに並べていることが、この市の長寿の理由だろう。歴史的な景観を背景として消費するのではなく、地域の人が今も使う街に伝統を戻す。クルクの夏祭りは、文化遺産を暮らしの中で更新する方法を見せている。

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ワウネタ海外生活

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