高血圧を予防する食べ物・食生活とは?予防法も解説!
※この記事はメディカルドックにて『「血圧が高いと出る5つの症状」はご存知ですか?高血圧を予防する食べ物も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。
血圧とは?
血圧とは心臓から送り出された血液が血管の内側にかかる圧力のことです。血圧を左右する要因として心拍出量(心臓から押し出される血液の量)、血管の太さ、血管の弾力性によって決まります。心臓はポンプのように収縮や拡張を繰り返して全身に血液を送っています。心臓が収縮して血液を送り出す時の血圧が収縮期血圧(最高血圧)で、血液が心臓に戻ってきて拡張している時の血圧が拡張期血圧(最低血圧)です。診察室で収縮期140/拡張期90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。
高血圧を予防する食べ物・食生活
野菜や果物の摂取を増やしましょう
生野菜や果物、海藻などに多く含まれるカリウムは尿中にナトリウムを出してくれる働きがあります。カリウムとナトリウムは体に必要なミネラルの一つで、ナトリウムは食品からは食塩として摂取されます。
日本人(20歳以上)の一日のカリウムは、令和元年の国民健康・栄養調査では男性2439mg、女性2273mgです。
日本人の食事摂取基準(2020年版)ではカリウムの摂取目標を成人男性3000mg以上、成人女性2600mg以上としているため、積極的な摂取をおすすめします。
カリウムは以下のような食品に多く含まれます。
・野菜:ほうれん草や春菊など
・果物:バナナやリンゴなど
・海藻:昆布やひじきなど
・いも類:じゃがいもやさつまいもなど
カリウムは水に溶けやすい特徴があるため、野菜や果物は生のまま食べることがおすすめです。
腎臓病の方ではカリウムの摂取制限が必要な場合があります。主治医に確認しましょう。
果物は糖質を多く含むため、肥満・糖尿病の方は摂りすぎに注意が必要です。
大豆製品の摂取を増やしましょう
大豆製品はカリウム・マグネシウムを多く含む食品です。マグネシウムは血圧の調整に必要なミネラルです。また、大豆製品に含まれるイソフラボンという成分は血圧降下作用があるといわれています。
納豆・豆腐・豆乳・枝豆などの摂取を増やしましょう。
納豆1P(40g)76kcal、木綿豆腐½丁(150g)110kcal、無調整豆乳コップ1杯(180mL)79kcalあります。肥満がある方は、今の食事にプラスするのではなく、置き換えることをおすすめします。
魚の摂取を増やしましょう
魚に多く含まれるEPAやDHAといった、n-3系脂肪酸には血圧降下作用があるとされています。
n-3系脂肪酸を一日3g以上摂ると、降圧効果が期待できるとの報告があります。
n-3系脂肪酸を多く含む食品は、青魚(サバやイワシ)・サーモンなど脂質の多い魚などです。
EPAやDHAと同じn-3系のαリノレン酸は体の中でEPAやDHAに変わります。大豆油やアマニ油の摂取もおすすめです。
脂質は少量で高エネルギーの栄養素です。肥満がある方は、今の食事にプラスするのではなく、置き換えることをおすすめします。

