
太平洋戦争の開戦直前、女学生の松乃と、海軍の戦闘機パイロットの虎次は出会う。お互い惹かれながらも、時は戦時中の大変な時期。手紙のやりとりにも検閲が入ってままならぬ中、少しずつ距離を縮め、想いを通わせていく。これは戦争の悲しい話ではなく、そんな時代にもしっかりと芽吹いた小さな恋の物語である。
本作「切なに刹那く」を描いたのは、「コミックDAYS」で『波うららかに、めおと日和』を連載している西香はち(@24hachi1)さん。『波うららかに、めおと日和』は2025年春にドラマ化された話題作である。今回、西香はちさんに「切なに刹那く」について話を聞いてみた。
■戦争が始まる前、静かに芽生えた恋の物語



今回紹介するのは、西香はちさんが描く漫画『切なに刹那く』。戦争の足音が近づく時代を舞台に、海軍パイロット・虎次と女学生・松乃が、少しずつ心を通わせていく恋を描いた物語だ。額の傷を隠そうとする虎次に対し、松乃が「戦って生き残った証なんですから」と声をかけたことをきっかけに、2人の距離は縮まっていく。しかし、その穏やかな時間は戦争によって引き裂かれてしまう。
戦争を題材にしながらも、悲しさだけではなく人を思いやる温かさを届けたいという思いから、「戦時中の物語は重たくて読めない」という人でも自然と読み進められる作品を目指して制作したという。また、本作はシリーズ作品の原点でもあり、「虎次の同期の子の話とか、それとは別に陸軍さんの話もあります。戦時中の恋の話ということで、全部ひっくるめて 『切なに刹那く』のシリーズものと位置づけています 」と話す。さらに、「描いた当時は、海軍のことも当時の生活風景についても、まともに調べずに描いてしまったので、軍服や階級のことはもちろん、舞台背景もきちんと調べた上で描き直したいと思っています 」と振り返り、今後はシベリア抑留をテーマにした恋愛作品にも挑戦したいと意欲を語った。
戦争という過酷な時代を描きながらも、本作には人を思いやる優しさや、小さな幸せが丁寧に描かれている。歴史の中に埋もれがちな"名もない恋"に心を寄せられる一作なので、ぜひ読んで欲しい。
取材協力:西香はち(@24hachi1)
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