主人公の優子さんは、母の「可哀想」という口癖に長年悩まされてきました。子どものころのテストや運動会に始まり、大人になってからの出産や育児にいたるまで、母は事あるごとに「可哀想」と口を出してくるのです。一方、弟のノボルさんに対しては、「大事な長男に苦労させたくない」という意味合いで“可哀想”を使っていました。過保護な母に違和感を覚えたノボルさんは、早くに家を出て自立。やがて綾乃さんとの結婚を決意しますが……。
綾乃さんが結婚のあいさつに訪れた日、母は手土産の渡し方に難癖をつけ、「紙袋がないなんて、変なお店ね。可哀想に」と発言。さらに、短大卒という学歴に対しても「四大に行けないなんて苦労したのね、可哀想に」と勝手に決めつけ、失礼な言葉を重ねてしまいます。
その後、優子さんの娘・まいちゃんがお気に入りの絵本を持ってくると、母は「同じ絵本ばかりで可哀想」とまたも口出し。母の言葉に、まいちゃんは不安そうな表情を浮かべます。
しかし綾乃さんは、まいちゃんが絵本の内容をしっかり覚えていることを大絶賛! 優子さんが何度も読んであげていることまで「愛が伝わる」と受け止め、場の空気をやさしく変えてくれたのです。
おだやかな空気の中、不満そうな母は……













綾乃さんは、まいちゃんと妹・ゆいちゃんのために、手作りの布絵本を用意してくれていました。マジックテープで遊べるかわいい贈り物に、まいちゃんも優子さんも大喜び! さらに綾乃さんは、優子さんにもカフェインレスのハーブティーをプレゼント。自分のために同席してくれたことへの感謝まで伝え、場は和やかな雰囲気に包まれます。
しかし母だけは、その空気を面白く思っていませんでした。綾乃さんの気遣いを素直に受け取れず、「騙されている」「化けの皮を剥がさないと」と、さらに敵意を募らせていくのでした。
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新しく家族になるかもしれない相手に対して、緊張したり身構えたりする気持ちは自然なことかもしれません。けれど、最初から疑いの目で見てしまうと、せっかくのやさしさまで受け取りにくくなってしまいます。新しい関係を築くときこそ、まずは相手の気遣いをそのまま受け止める余裕を持ちたいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター 山野しらす

