由美さんは、夫の聖也さんと1歳半になる娘・こころちゃんとの3人暮らし。現在、第二子を妊娠中です。夫は自称「気配りじょうず」で育児にも積極参加してくれますが、足りない面が多くてぎくしゃくすることも。
ある日、由美さんは家族で、友人主催のホームパーティーへ。失言してノンデリ認定された夫でしたが、気配りじょうずなパパ友の行動をまねて名誉挽回!喜んでもらえるのがうれしくて、その後も見習って行動し、同僚からも評判は上々です。
少し成長した夫は、父のノンデリ発言に困惑する妻をかばうなど好調。妻は夫の変化を感じ、頼もしいと感動しました。
そんなとき、義父の不注意から、こころちゃんが椅子から転落。心配しましたが、様子見との診断を受けてひと安心です。しかし、自分は悪くない、みんな深刻な顔して大げさだと、ひたすら保身に走る父親の態度に、夫は怒りをあらわにします。
じつは、かつて聖也さんは水の事故に見舞われ、危うく命を落としそうになったことがあります。それも父親の不注意が原因でした。しかし、そんな大きな出来事も、父親はすっかり忘れていたようで……。
事故当時を思い出した母親は、目に涙を浮かべました。そして、こころちゃんにつらい思いをさせたと謝罪。しかし、父親はあくまで非を認めず、自分勝手に怒るだけでした。
「お前だけ謝ったら、俺だけ悪者みたいだろ!」
「だいたいな、今回落下したのはこの椅子が悪いんだぞ!」
「どうせ口うるさく言ってくると思ってな、さっき動画に撮っておいたんだ!」
「ここにゴミがついてたから滑って落ちたんだ! ちなみにこのゴミはうちのじゃ……」
聖也さんの表情はますます険しくなり、父親の言い訳をさえぎり、無言でスマホを奪いました。そして……。
我慢の限界がきた夫








「俺のスマホが……!」
「お前! なんでこんなことをした!?」
父親は怒りに打ち震えていました。高価なスマホの買い替えを、とても心配しているようです。
「本当は……」
聖也さんは、刺すような眼差しで父親を見つめました。
「その少ない髪の毛つかんで引きずり回してやりたかった」
「顔面を思い切り蹴り飛ばしたかった」
スマホを水没させたのは、父親に手を挙げないための手段だったのでした。
◇ ◇ ◇
強い怒りを感じたとき、つい感情のままに行動したくなることはあるかもしれません。聖也さんが父親に手を挙げなかったことはよかったものの、たとえ怒りが抑えきれない状況だったとしても、人の物を壊すことも決して望ましい行動とはいえません。
強い怒りを感じたとき、まずその場から離れる、深呼吸をするなど、衝動的な行動を一瞬でも遅らせることが、取り返しのつかない事態を防ぐことにつながります。感情をコントロールすることは簡単ではありませんが、それが自分自身と大切な人を守ることにもなるのかもしれませんね。
著者:マンガ家・イラストレーター ミント

