
小学6年生の青空茜のクラスメイト・紫村俊介が、学校の屋上から飛び降りた――。命こそ取り留めたものの意識不明の重体で予断を許さない状態。現場に残された遺書には、いじめを苦にして自殺未遂したと推測される文章が綴られていた。さらに、遺書には「青空茜さん ごめんなさい」と名前が記載されていたことから、茜はいじめの加害者かもしれないと疑われてしまう。母親の翼が茜に話を聞いてみると、「いじめなんてやってない」と否定。茜の態度に違和感を覚えはしたが、翼はその言葉を信じることに決めた。なぜなら、俊介は過去に茜をいじめ、不登校に追い込んだ子だったからだ――。
本当の“加害者”は誰なのか?いじめ問題のタブーに切り込んだセミフィクション「娘はいじめなんてやってない」(著書・しろやぎ秋吾)から全17回連載でお届け。今回は第5回となる。
前回、母の翼に「私はいじめなんてやってない」と訴えた茜。一方、屋上から飛び降りた紫村俊介の両親は、病室で意識不明の状態でベッドに横たわる息子を前に混乱していた。夫が息子の異変に気づけなかった妻を責めていると…?









