園内は、屋内の「インサイドパーク」と屋外の「アウトサイドパーク」の2つのエリアに分かれ、屋外にはさらに動物たちの迫力あるパフォーマンスが見学できる会場もある。特に檻や柵などを極力なくし、動物の息づかいを五感で感じられる展示が特徴だ。近年、新たな展示場やリニューアル施設が次々とオープンし、さらに魅力あふれる場所となっている。また、施設の約7割に屋根がある全天候型で、夏の暑い時期や雨の日に訪れても楽しい。今回は、注目の展示や体験、園内で味わえるグルメ、オリジナルの限定グッズなどを紹介する。

■「ケープペンギン」が暮らすエリアが拡張、野生に近い姿を観察
まず紹介するのは、アウトサイドパークにあるケープペンギンの展示場「ペンギンコースト」だ。神戸どうぶつ王国では、約50羽の「ケープペンギン」が飼育されている。体長が約65センチ、体重は3キロほどのペンギンで、別名アフリカンペンギンと呼ばれる。

「ペンギンコースト」は、2026年4月にリニューアル。2つあるエリアの片方が新たに作られたエリアで、ケープペンギンが生息する南アフリカ沿岸をイメージした岩場や起伏、水辺環境などが再現されている。ケープペンギンが陸上で生活する様子、水中での動きなど、野生に近い姿が見られる。その距離も非常に近く、見ごたえがある。

また、「ケープペンギンてどんな生き物?」という案内パネルも。ケープペンギンの目やくちばしなど、身体の特徴がわかりやすく説明され、読むとさらにケープペンギンを観察するのが楽しくなる。

給餌イベント「ペンギンおやつタイム」では、エサの魚を目にすると、水しぶきを上げて勢いよく近寄ってくるケープペンギンの姿がまたかわいい。人気の体験なので、時間をチェックして早めに並ぼう。
■ネコ科の肉食動物「サーバル」、屋内から屋外展示へ
アフリカのサハラ砂漠以南に生息する、ネコ科の肉食動物「サーバル」。この展示場がこのほど、これまでの屋内から屋外へ移動した。
サーバルは、長い足を活かし、動き回って獲物を捕らえるのが特徴。太陽の下、元気よく動き回り、飛び跳ねる様子が観察できるようになった。

サーバルは、体長が約70~100センチ、体重は約9~18キロで、鳥やネズミなどを食べる肉食動物。地面に穴を掘って獲物を捕まえたり、2~3メートルの高さを飛び上がったりできるジャンプ力を持つ。
屋外の展示場は、面積が以前より約5倍以上も拡大。起伏ある地形や登り木など、高低差を活かした立体的な構造となっていて、サーバル本来の特性や行動などより野生に近い動きが見られる。

特に、エサの時間に遭遇すると、上に吊るされたエサをサーバルが勢いよく飛び上がって取って食べる様子が見られる。そのジャンプ力こそサーバルの魅力なので、ぜひ見ておきたい。
■神戸どうぶつ王国のシンボル的存在「ハシビロコウ」と人気のコーヒー
神戸どうぶつ王国のシンボル的な動物として有名なのが、灰色の大きな鳥「ハシビロコウ」である。2026年5月現在、3羽が飼育されている。

ハシビロコウは、アフリカ中部の湿地に生息し、絶滅危惧種に指定されている鳥類の1つ。全世界の動物園で、30羽ほどしか飼育されていない。日本全国で6つの施設のみ、西日本では唯一ここだけである。
待ち伏せ型の狩りをする鳥で、その様子がまるで彫刻のように「動かない鳥」として知られる。巨大なくちばし、鳥類最長といわれる足と指の長さなどが特徴だ。

生息地であるアフリカの湿地帯を再現した「ハシビロコウ生態園 Big bill」では、ハシビロコウが緑豊かな木々や池の中を歩いたり、羽を大きく広げて飛んだりする、野生に近い姿が見られる。
3羽のうち2羽がメス、1羽がオス。メスの「クラル」は虹彩が黄色く、オスの「サカラ」は虹彩がオレンジがかっている。そして、最も古くからいるメスの「マリンバ」は目つきが鋭く、冠羽が長い。それぞれの特徴を知ってから、探すのも楽しい。
また、園内の「アルパカフェ」で販売されている「ハシビロコーヒー」は長年、高い人気を誇る。ハシビロコウがモチーフとなったコーヒーで、実は一部にハシビロコウの生息地であるタンザニア産の豆も使われている。

ハシビロコウが羽を広げ、カップのふちにくちばしをつけているかのような装飾は、写真映えしてインパクト十分。来場した記念にと、カップを持ち帰る人もいるという。休憩ついでや食後のドリンクに、味わいつつもハシビロコウの生態環境や人との関わりなども考えるきっかけになる。
■ほかにもある!動物を“ゼロ距離”で体験できるおすすめエリア
ほかにも、「神戸どうぶつ王国」でしか見られない動物や体験できる場所がいくつもある。
アウトサイドパークの「カピバラたちの湿原~Pantanal~」は、カピバラの生息地・南米にある世界最大級の大湿原「パンタナール」から命名された、オープンしてまだ数年の新しいエリア。ちなみに、パンタナールは日本の本州とほぼ同じ大きさを誇り、「野生動物の楽園」と呼ばれる。
カピバラやオオアリクイらが、池や植物が生い茂る自然豊かな場所で暮らす。特に、カピバラの水中から目と耳と鼻だけを出す、植物に囲まれて寝そべる様子はとてもかわいく、癒やされる。カピバラにエサをあげる体験も人気だ。

東南アジアの湿地帯をイメージしたコツメカワウソの公開施設としては最大規模の「オッターサンクチュアリ ~コツメカワウソ生態園~」や、神戸どうぶつ王国で一番大きな動物であるフタコブラクダに乗ることもできる「キャメルコーナー」もあり、いずれも定番人気のエリアだ。
インサイドパークにある「熱帯の森」は、熱帯雨林(ジャングル)をイメージしたエリア。動物たちとまさに“ゼロ距離”での触れ合いが感じられる。通路を歩くそばにカンムリシャコやオウギバトなどの動物がいるほか、頭上にある木でフタユビナマケモノやコモンマーモセットらが過ごす様子が見られることも。

夜行性動物たちが普段は寝ている昼でも活動的に過ごす様子が見られる「モモンガの夜~夜の動物たちの世界」、レッサーパンダやビントロングが木を登る様子などが、柵などなく近い距離で見学できる「アジアの森」なども。
■自然あふれるエリアでのんびり味わう、おすすめ園内グルメ
園内をくまなく歩いて動物や花々と触れ合うと、休憩や食事がしたくなるはず。王国レストラン「花のキッチン」は、植物に囲まれた開放的な明るい広々としたレストランで、のんびり過ごすことができる空間だ。

ランチメニュー(10時30分~14時)では、人気料理の盛り合わせ「プレートランチ」、和定食、ロコモコ丼や対馬風豚丼、カレーライスなど。子ども向けのキッズメニューもある。
また、14時以降は軽食やデザートが中心で、ぼっかけ焼きそば、そばめし、淡路産たまねぎのハヤシライスなどがあり、特におすすめは、ハシビロコウをかたどった「ハシビロ王のケーキ」。写真映えするが、その見た目は食べるのに躊躇するほどのかわいさだ。

ほかに、定番のきつねうどんや神戸らしいぼっかけカレーうどん、ポテトやアイスクリームなどを販売する、めん処「ふくろう庵」や、手作りバーガーやハシビロコウをかたどった「ハシビロマン」など個性豊かなメニューがそろう「アルパカフェ」もある。
これらのレストランでは、ツシマヤマネコのシールを貼ったメニューがいくつか見られる。ツシマヤマネコの保護活動につながる「佐護ツシマヤマネコ米」を使用している目印だ。料理を通して動物の保護活動を知るきっかけにもなる。
■かわいい動物グッズがあふれるショップ!王国オリジナルも多数
「花のレストラン」に隣接するギフトショップ「Gift Shop Capy&Barbara」(カピィ&バーバラ)には、普段使いできるかわいい動物たちの雑貨や、お土産に最適なお菓子などが数多く並ぶ。神戸どうぶつ王国でしか買えないオリジナルのグッズも豊富にそろう。

特に、神戸どうぶつ王国で飼育されている動物たちのグッズには、その飼育員が関わって開発、製作されたものも。かわいい、またリアル感があるなど、個性あふれるグッズは愛着がわくこと必至。ぜひ自分のお気に入りの動物を見つけてみてほしい。

一番人気はやはり「ハシビロコウ」である。「目力」があって特徴的な顔をモチーフとしたクッキーは、その大きさしかり、顔もリアルに再現されていてインパクト十分の商品だ。
■動物だけでなく「植物ファン」も実は多いワケ
神戸どうぶつ王国の魅力は、動物だけではない。四季折々で咲き誇る花をはじめ、実は植物好きも多く訪れる。かつてこの施設が「神戸花鳥園」だったころの名残で、鳥類そして花々が今も多くある。

「ウォーターリリーズ」では、熱帯性スイレンが年中咲いている様子が見られる。特に午前中に訪れると、スイレンの花が咲き、いい香りをかぐことができることも。広大な池には熱帯魚が泳ぎ、エサやりの体験もできる。

神戸どうぶつ王国の担当者は「ここは他の動物園にはない魅力があふれています」という。少し珍しい動物たち、檻や柵が少なく“ゼロ距離”など身近に触れ合いが感じられる体験、さらに、雨の日や暑い日に訪れても、屋内展示も多いため、1年を通して快適に過ごすことができる。
しかも近年、訪れるたびに新たなエリアやイベントなどが刷新されている。交通アクセスもよく、フラッと立ち寄りやすい。ぜひ訪れて、動物たちや花々に囲まれて楽しんで癒やされてみてはいかがだろうか。
神戸どうぶつ王国
住所:兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-9
電話:078-302-8899
時間:10時~17時
休み:木曜
入場料:大人(中学生以上)2400 円/シルバー(満65歳以上)1900 円/小学生1200 円/幼児(4・5歳)500 円 ※シルバー料金は公的機関の年齢証明できるもの(運転免許証など)を提示
アクセス:ポートライナー「計算科学センター(神戸どうぶつ王国・「富岳」前)」下車すぐ
取材・文・撮影(クレジット掲載以外)=シカマアキ
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

