4人組の女性ダンスボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」が、「メンバーの体調不良」を理由に2公演の延期を発表した。
SNSでは「開場して客を入れてからの中止発表」などと指摘する投稿もあり、対応をめぐってさまざまな声が上がっている。
ファンの多くは温かく受け止めたものの、時間や費用をかけて現地に向かった人の中には、やり切れない思いを抱いた人もいるはずだろう。
アーティストや主催者は、こうした「直前キャンセル」にどう向き合うべきなのか。
●ファンのあいだに広がる複雑な感情
グループは10月11日、同日予定していた福島公演と翌12日の仙台公演を延期すると発表した。
「メンバーの体調不良に伴い公演を延期する判断となりました。ご来場いただきました皆様にはご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません」
「直前のご案内となり誠に申し訳ございません」
こうした謝罪の言葉を重ねた。詳細は10月20日に改めて発表されるというが、中止となった2公演は振替対応が予定されている。
一方、X上には、現場とされる写真とともに「開場して客入れしてから中止発表」などの情報も投稿された。ファンから次のような声が上がっている。
「体調不良は、やむを得ない。お大事になさって、体調が良くなりますように。」
「自分がその状況になって感じた事。もっと早く中止の判断をしてくれれば現地に行かない選択が出来た。2日間時間を無駄にした感覚、そちらの方が嫌です。」
「開演後は勘弁して欲しいかな そうしないと田舎の公演行く人減ると思う 交通費や宿泊費に有休申請と色々してるから正直きつい 前の日くらいにわかるかメンバー減らしてして欲しい 金返せ!とは好きなアーティストに思いたくないから」
"推し"を思いやる気持ちと、せっかくの時間が「無駄」になったという気持ちがからみあい、ファンの胸中は複雑だ。
どうしても公演中止が避けられない場合、アーティストはどのように対応すべきだろうか。エンターテインメント業界の問題にくわしい河西邦剛弁護士に聞いた。
●遠征費の補償は難しい
──いったん公演が中止になった場合、チケット代の返金を求めることができますか。
返金を希望する人にはチケット代は返金されますが、現場までの交通費や宿泊費は補償されない可能性が高いと思われます。
一般的に、チケット販売時の規約には「公演中止になった場合でも交通費や宿泊費については補償できない」という免責条項があり、法律的にも有効とされています。

