「 先天性耳瘻孔」を発症した人に起こる症状をご存じですか?【医師監修】

「 先天性耳瘻孔」を発症した人に起こる症状をご存じですか?【医師監修】

佐伯 信一朗

監修医師:
佐伯 信一朗(医師)

兵庫医科大学卒業。兵庫医科大学病院産婦人科、兵庫医科大学ささやま医療センター、千船病院などで研鑽を積む。兵庫医科大学病院産婦人科外来医長などを経て2024年3月より英ウィメンズクリニックに勤務。医学博士。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会健康スポーツ医、母体保護法指定医。

先天性耳瘻孔の概要

先天性耳瘻孔とは、生まれつき耳の近くの皮膚に小さな穴(瘻孔:ろうこう)がある状態をいいます。この穴は通常、耳の前にあり、小さくて目立たないことも多いです。赤ちゃんのおなかの中で耳がつくられるときに、皮膚のくっつき方がうまくいかなかったことが原因とされています。

100人に1〜2人と決して珍しくないもので、多くの場合は一方の耳にありますが、両方の耳に見られることもあります。特に症状がなければ治療をする必要はありませんが、感染して赤く腫れたり、うみが出たりしたときは、医療機関を受診する必要があります。

先天性耳瘻孔の原因

赤ちゃんが成長する過程で、耳は6つの小さな突起が集まってできあがります。この突起は胎生(たいせい)4週ごろに現れ、12週ごろまでにひとつの耳として形になります。しかし、突起が完全にくっつかなかったり、ずれたりすると、その部分が小さな穴として残ることがあります。これが先天性耳瘻孔の原因です。

このような瘻孔ができる原因は、主に胎児期の発育過程での一時的なエラーによるもので、親の生活習慣や食事などが直接の原因になることはほとんどありません。また、特別な病気がなくても自然に起こることもありますが、まれに「BOR症候群(鰓耳腎症候群)」という遺伝性の病気の一部として見られることもあります。

配信元: Medical DOC

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