先天性耳瘻孔の前兆や初期症状について
先天性耳瘻孔そのものには痛みや違和感はなく、多くの場合は生まれたときや健診のときに見つかります。耳の前に小さなへこみや穴のようなものがあるのが特徴で、白っぽい液が出ることもあります。
赤ちゃんのうちは症状がないことが多いですが、感染すると、瘻孔のまわりが赤く腫れたり、熱をもったり、押すと痛がることがあります。さらに進むと、うみがたまって膿瘍(のうよう)と呼ばれる状態になり、皮膚が破れて自然にうみが出てくることもあります。
また、耳の奇形や聞こえの異常、腎臓の問題を伴うBOR症候群の場合は、耳瘻孔だけでなく、首に小さな穴があったり、聞こえにくさが見られることがあります。
先天性耳瘻孔の検査・診断
診断は主に目で見て確認します。耳の前や耳のふちなどに小さな穴やくぼみがあれば、耳瘻孔と判断します。通常は片側にありますが、両側に見られる場合はBOR症候群などの他の病気の可能性も考えます。
また、瘻孔があるだけでなく、聞こえにくい様子があるときは、聴力の検査が行われます。現在では新生児のうちに聴力スクリーニングを行うことが一般的になっており、難聴の早期発見にも役立っています。
加えて、腎臓の形や機能を調べる検査(超音波など)が必要になることもあります。特に家族に同じような症状のある方がいる場合や、耳以外にも首や腎臓に気になる症状がある場合は、遺伝的な検査が行われることもあります。

