
落雷のイメージビジュアル
【写真】でわかりやすく! 落雷の危険から身を守る方法がコレです!
気温が高い日に、遠くの方でゴロゴロという音を聞くと、歩くスピードを早めたり、慌てて洗濯物を取り込んだりした経験があると思います。また、自宅や勤務先の近くで落雷があり、怖い思いをしたことがある人もいるかもしれません。急速に発達した積乱雲や落雷を避けたい時にどうすればよいのか、気象予報士で防災士の橋本真希さんに夏の雷と冬の雷の違いや正しい避難方法と一緒に聞いてみました。
冬の雷は、夏の100倍以上の破壊力がある場合も
Q.夏の雷と冬の雷の違いについて、教えてください。
橋本さん「『雷』は、発達した積乱雲の中で氷の粒が激しく衝突して静電気が生じることで発生します。夏は、強い日差しで暖められた地上の空気が急上昇したり、南から暖かく湿った空気が流れ込む、または上空に冷たい空気が流れ込んだりすることで大気の状態が不安定になって積乱雲が発達し、雷が発生します。
雲の高さは10キロメートル以上で時に成層圏まで達し、積乱雲の上部に電気がたまり何度も雷が発生します。大雨や突風、ひょうを伴うことも多く危険です。
一方、『冬の雷』は、大陸から流れ込む非常に冷たい空気が、暖流の対馬海流上空を通過するときに地表付近と上空の温度差が大きくなり、さらに海から大量の水蒸気が供給されることで積乱雲が発達して雷が発生します。
雲の高さは夏の半分以下ですが、寒気と海面との温度差が大きくエネルギーが凝縮されることに加え、雲の底が地表に近いため場合によっては夏の100倍以上の破壊力を持つことがあります。
一度、落雷するとしばらくの間はおさまるため『一発雷(いっぱつらい)』と呼ばれ、日本海側やノルウェーの大西洋沿岸、北米の五大湖周辺や地中海の東部沿岸など、一部の地域のみで見られる、世界的に珍しい現象です」
Q.雷がくる予兆や、気を付け方があったら教えてください。
橋本さん「空が急に暗くなり、『ヒヤッ』とした冷たい風が吹いたときは雷雲が近づいているサインです。
川の水が急に濁り、水位が上昇したときは、上流で雷雨が発生している可能性があります。また、AMラジオの電波が約50キロメートル先の雷を感知すると『ガリガリ』と独特のノイズが入ることもあります。他にも、セミが急に鳴き止む、鳥が一斉に低く飛ぶなど生き物達が気圧の変化を察知して起こす行動にも注意しましょう。
積乱雲は想像以上に早く成長しますし、雷は放電しやすいルートを求めて雲から水平方向へ10キロ以上離れたところに落ちることもあるため、雨が降っていない場所や青空が見えている場所でも、雷鳴が聞こえるなど、雷の予兆に気づいたときはすぐに頑丈な建物や車の中などへ避難しましょう」
Q.では、雷から身を守る方法も教えてください。
橋本さん「電気が人へ飛び移る『側撃雷』の危険性があるため、高い木の下での雨宿りやテント内へは決して避難してはいけません。
特に、冬は前触れなく強烈な一撃が落ちるので一刻も早い避難が必要です。雪の降り方が強まったり、暗雲が広がりだしたら、落雷による停電や雷サージによる電子機器への損傷に備え、パソコンなどの精密機器はコンセントからプラグを抜いておきましょう。
グラウンドやゴルフ場、山頂など見晴らしのよいところは落雷しやすく危険です。避難できる場所が近くにない場合は、落雷の爆音や衝撃波から鼓膜を守るためにしゃがみ込んで低い姿勢をとり、両手で耳をふさぎましょう。
地面を伝わる電流で感電しないように、両足をそろえ、つま先立ちの姿勢を保って地面と接する面積を最小限にします。また、傘やゴルフクラブ、釣り竿などの長いものは、体より高く突き出さないように注意しましょう。雷から身を守るためには、今自分のいる場所で落雷が発生する可能性を確認し、早めに避難・対策することが大切です。気象庁や気象会社などの防災アプリやホームページで雷雨予想をこまめにチェックするようにしましょう」
雷は発達した積乱雲が原因で発生する現象です。何度も落雷して激しい雨やひょうを伴う夏の雷と、一発のエネルギーが大きい冬の雷はそれぞれ危険性が異なるため注意が必要です。雷の予兆を一つでも感じたら、気象庁や気象会社などの防災アプリやホームページをチェックして、早めに避難・対策するようにしましょう。
