
コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ヒロ・コトブキさんの作品『くるくるまわる』をピックアップ。ヒロ・コトブキさんが7月20日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、4万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、ヒロ・コトブキさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■父がとった謎の行動が感動を呼ぶ

ある日、父親がピンチハンガーにぬいぐるみやイヤホン、ミサンガ、昔のスマホなど娘の物をぶらさげていた。
「ちょっと父さん。私のやつこれ何?洗っちゃったの?」と娘が尋ねると「挟んでるだけだよ」と父親は答える。
さらに、そのピンチハンガーの下に座布団を敷いて寝ころび、ピンチハンガーを回しはじめた。
父親は、ピンチハンガーと共に回る娘の物を見ながら「ここにはお前が詰まってるからな」と呟く。
そこに吊るしてある娘の物は、幼少期から結婚して母親になるまで両親との思い出がたくさん詰まっている物ばかりだったのだ…。
実際に作品を読んだ読者からは、「涙が止まらない」「とっても素敵なお話でした」「涙腺が…」「ほんま何回読んでも名作なんよ」など、反響の声が多く寄せられている。
■作者・ヒロ・コトブキさん「僕を含めたみなさんの、ちょうど今の心境や環境にマッチしたんだろうなと思っています」

――「くるくるまわる」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
僕のネタ帳のなかに、
1.天井から下がるピンチハンガーが洗濯物をキラキラと回している。
2.その下でニコニコ見ているお父さん
3.それを見る娘
4.「ぇ大人になってもこれでよろこぶ人いるの?..」
というモノが書かれていたのですが、それは1P漫画としてはオチの弱いモノなので、作品にはならずにずっと眠っていました(なにしろネタ帳の中のほとんどはこのようなモノばかりです)。
それを久しぶりに見た時に、ふと思いついた物語です。どちらにしろここまで長くする予定ではなかったです。
――今作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?また、お気に入りのシーンがあればお教えください。
小さな時間軸で見たら悲劇だったり苦しかったりした思い出たちも、人生という長い尺で眺めてみると、あらゆる出来事はまだ何かの『続き』であり、『助走』であり、のちに『気づき』を運んでくれる重要な種のような役割をしていて、どんな悲劇(のように見えるもの)も終わってみるまでは誰にも悲劇とは決められない。という想いが自分のなかにあるんだと思います。
晩年に近づいたころ、自分の思い出たちを勢いよく回してみた時に、色彩豊かで華やかに見えたのなら、それもまた「ああ、色んなアトラクションに乗ったなあ」という微笑みにつながるんじゃないかと思っています。また、そうじゃなくっちゃという気持ちもあります。頼むぜ神さま、という気持ちです。
そのくるくるとまわる時間の流れを(例えばセリフを最小にすることで)うまく表せたんじゃないかなと思っています。
――今作はSNSで多くの読者から多くの反響がありました。率直なご感想をお聞かせください。
僕を含めたみなさんの、ちょうど今の心境や環境にマッチしたんだろうなと思っています。
不完全さとか傷口みたいなものが、物語に対して却ってポジティブに作用する。僕はそのことを信じているし、確信もしています。
同じ気持ちの人が他にもいてくれて、とても心強いです。
――ヒロ・コトブキさんの今後の展望や目標をお教えください。
できるだけ長く漫画を描きながら、漫画みたいに生きていけたらなぁと思っています。
――最後に作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
僕の力と脳みそに若干の余裕があります。これからも遊んでください。

