「食道がんの症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「食道がんの症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

食道がんの症状とは?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「食道がんの原因」はご存知ですか?発症しやすい人の特徴・症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

和田 蔵人

監修医師:
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「食道がん」とは?

食道がんは、食道というのどと胃をつなぐ細長い管状の臓器(食べ物の通り道になります)の粘膜にできる悪性の腫瘍のことです。胸部中部食道という、食道の中央付近にできることが多いですが、食道の上部や下部、また胃との境目の部分にもできます。
男女別では男性に多く、年齢別では70代後半〜80代前半に多いとされています。

食道がんの代表的な症状

食道がんは、初期のうちは症状がないため気づきにくい病気です。ただしがんが大きくなってくると、食べ物や飲み物が飲み込みにくくなることがあります。しかし、それだけではなく、声のかすれが出たり、胸や背中に痛みがでたり、体重が減少したりします。そして、症状が出てきたときには、食道がんは進行していることが多いです。

飲食物のつかえ感、体重減少

食道がんが進行してサイズが大きくなり食道が狭くなると、食べ物や飲み物が飲み込みづらくなり、食事や水分がとれなくなります。また、食べ物が通らなくなったことが原因で、嘔吐してしまうこともあります。ただし食道がん以外にも、逆流性食道炎、食道アカラシアなどの病気でも同様の症状が出ることがあります。飲食物のつかえ感や体重減少が生じた場合には早めに医療機関を受診しましょう。診察を受ける場合は、消化器内科を受診しましょう。

声のかすれ、咳

声のかすれや咳があるときには、加湿して暖かいものを摂ってみましょう。食道がんが進行して気管や肺まで達すると、刺激によって咳や痰の症状が現れます。声帯の動きをコントロールする神経(反回神経)にがんがおよぶと、声がかすれる症状(嗄声:させい)も現れます。
ただし、声のかすれや咳の症状が出るのは、食道がんだけではありません、喉頭炎、声帯結節や声帯ポリープなどの病気でも起こることがあります。咳がひどい場合には呼吸器内科、のどの症状が強ければ耳鼻咽喉科を受診しましょう。それらが否定される場合には消化器内科で診察を受けてください。

胸の違和感、胸や背中の痛み

胸の違和感、胸や背中の痛みが続くときは、身体を休めてみましょう。食道がんが進行して食道の外膜を超えると、胸や背中に痛みを生じるようになります。
ただし食道がんだけでなく、逆流性食道炎、胃潰瘍や胃炎、心筋梗塞や狭心症などの病気でも起こることがあります。胸の違和感、胸や背中の痛みが続く場合には、心疾患の可能性もあるため早急に内科を受診しましょう。

配信元: Medical DOC

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