祭りを「歩く美術館」に ダバオで歴史とアートを巡る新企画【フィリピン】

祭りを「歩く美術館」に ダバオで歴史とアートを巡る新企画【フィリピン】


フィリピン南部のダバオ市で8月を通して開かれている「カダヤワン・フェスティバル」。収穫や自然の恵みに感謝し、11の民族文化をたたえるこの祭りで、今年は街そのものを展示空間のように楽しむ「Dayaw Art Walk」が8月15日に行われる。観光客を一つの会場へ集めるのではなく、歴史ある通りや文化施設を歩いてつなぐ新しい試みだ。


■ 市場から映画館までを徒歩で巡る

出発地点はポブラシオン・マーケット。そこからフリーダム・パーク、土産物店、博物館、カフェ、ホテル内のギャラリーなどを巡り、最後はCinematheque Center Davaoへ向かう。終点ではアート、文化、映画を紹介する企画や、選ばれた作品と食を楽しめるバザールも開かれる。移動の途中には歴史解説も組み込まれ、単なるギャラリー巡りではなく、街路や建物そのものをダバオの歴史を知る教材として使う。


■ 「見る観光」から「歩いて知る観光」へ

ダバオでは近年、街歩きを観光の一つとして育てており、このアートウォークも6月のイベントで試みられた企画を、カダヤワン向けに別ルートで展開するものだ。大きな祭りではパレードや舞台に注目が集まりやすいが、徒歩で小さな文化拠点を結べば、旅行者の目線はメイン会場の外へ広がる。

ルート上にはUpside Down MuseumやCafe Gervacios、Royal Mandaya Hotelのギャラリーも含まれ、商業施設と文化施設を同じ散策線上に置いているのも特徴だ。街を「点」で紹介するのではなく、歩く時間そのものを観光体験へ変えている。


■ 祭りの熱気を街の日常へ広げる

今年のカダヤワンでは、市庁舎を使ったプロジェクションマッピングや、公園で地元事業者64組が参加するバザールも展開されている。巨大イベントを一か所で完結させず、文化施設、商店、公園、飲食店へ人の流れを分散させることで、祭りの経済効果や地域との接点も広がる。観光名所を見るだけでは分からない街の成り立ちを、歩くことで知る。ダバオの新しい街歩きは、都市型フェスの楽しみ方を一段深くしている。

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