文具や雑貨に今の自分を託そう。トラベラーズノートの生みの親に聞いた“ノートに書く”という残し方

文具や雑貨に今の自分を託そう。トラベラーズノートの生みの親に聞いた“ノートに書く”という残し方

書いて残した時間が、自分自身を表す





飯島さんが約20年リフィルを入れ替えて使い続けるトラベラーズノート。手になじむように丸みを帯びた革カバーの角はまさに味

怒濤のように過ぎる日々の中で、私たちはどれだけちゃんと一つひとつのことに向き合い“心”で感じられているのだろう。いつかのおいしかったもの、笑った話、旅先の絶景。そんな感動も時間が経つと薄れてしまう。毎日数多の情報に触れて頭の中が常に更新されていき、記憶にとどめておくことが難しいのかもしれない。

そんな中多くの人が改めて書いて日々を残すことの大切さを感じているようだ。日記やジャーナリングの熱が世間で高まる今、20周年を迎えたトラベラーズノートの生みの親・飯島さんが、長年ノートに書き残すことで見えてきたその価値を教えてくれた。





1週間に一度書くというノートは今や22冊目 

「20年間書いているノートは自分の分身とも言えます。10年ぐらい前から1週間に一度、嬉しかったことや印象深かったことを思い出して絵にしているんです」。使い込むほどに味が出る革のカバー、多様なリフィルやカスタマイズアクセサリーなどを展開し、自分らしさを存分に込められる人気のトラベラーズノート。「ノートの作り手でもあり使い手でもある自分ですが、ときどきなぜみんなノートを使っているのだろう、なぜ自分は書くのだろうと疑問に思うことがあります。でも、使いながら自分自身も多くのことに気付かされました」と飯島さん。

これまで多くのノートの使い手に出会い、書き残すことの意味の広がりを感じてきたという。「例えば、初対面のお客さん同士がノートを見せ合っているのを見かけることがあります。日々の記録や好きなことが詰まっているノートは、自分を表現できるものでもある。それが人とのコミュニケーションの手段になるのだと知って、書き残すことの新たな意味に気付きました。また、ノートを買ったことで久しぶりに絵を描いた人、次の旅のきっかけになった人などノートひとつで生まれる行動がこれだけあるのかと驚かされます」。ノートはただ“書く”ためのものではない。目の前に確かにそれがあることで使い手それぞれに合わせて意味が広がっていく。





上/街で出会ったとっておきのパンフレットやステッカーで日々が色濃く残る 下/トラベラーズノートは約20年前の社内コンペで飯島さんの企画から生まれた

そうしてさまざまな人のノートを見てきた飯島さんが思う、書く原動力とはなんなのか。「ノートを開くのは“心が動いたとき”が多いんですよね。旅の感動や印象深い瞬間などを残すことで過去の感情が蓄積され、いわば自分のアーカイブのようなものになっていきます。ノートに感動体験がストックされ、それを見返すと自分自身や自分の“好き”が色濃く表されている、それに気付けることが書くおもしろさなのかもしれません」

それでも、書く時間をつくることは簡単ではないという人も多いかもしれない。「ノートを書くのは時間がかかりますよね。でも書いている間は、自分が体感した感情や記憶に向き合っているということ。例えば本の感想を書き残すことは、その本により長く向き合っていると言えます。紙の感触を感じながら書いた時間はさらに読書体験を深め、自分の記憶や心に長く残りやすくなると思います。それは仕事やその後の人生のヒントとなり、よりいい影響を自分に与えてくれるのではないでしょうか」。

読んだ本や食べたものなど、なんでもない日常をしっかりととらえて一つひとつに向き合うことは時間がかかる。けれど、“書く”を通して向き合ったその時間がくれるものはきっとなにものにも代えがたいこと。





トラベラーズノート(全5色・6,160円)

そうした時間を刻んできたノートは、ついた傷もインクのかすれも貼っているステッカーも、どれもその人だけのものでひとつも同じものはない。「絵が上手、下手などは関係なく、書いたものはすべてその人自身であり、その人の味ですよね」。と話す飯島さん。

その味は、トラベラーズノートの使い手同士がノートを見せ合うように、書くことで自分だけでなく他者を理解しようとする心をもたらすのかもしれない。そしていつか過去のノートを見直したとき、自分の愛しい記憶たちが目の前の生きる道しるべになってくれるに違いない。



DATA|TRAVELER’S COMPANY(トラベラーズ カンパニー)

世界中で人気のトラベラーズノートを手がける。実店舗「TRAVELER’S FACTORY」は東京、京都など国内に4店舗を展開 






この記事の詳細データや読者のコメントはこちら

配信元: OZmall

提供元

プロフィール画像

OZmall

会員数300万人の女性向けWEBメディア。OZmall [オズモール] は東京&首都圏の女性に向けた情報誌 OZmagazine [オズマガジン] のWEB版です。「心ときめく“おでかけ体験”を一緒に」をテーマに、東京の感度の高い女性に向けた最新トレンド情報を紹介しています。