
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。
今回はカドコミで『鬼姫はうちのなか』を連載中のうたたね游さんに注目し、『元号百合アンソロジー』に掲載された作品『ワンピースと春雷』をご紹介しよう。
同作は、大正時代を舞台に女子学生2人の人間ドラマを描いた読切作品。以前うたたねさんのX(旧Twitter)に投稿されると、約2500ほどの「いいね」が寄せられている。そこで作者のうたたねさんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。
■人気者の上級生に目をつけられる?

生まれつき虚弱体質で、よく咳をして熱を出すために体育の授業に加え、時々学校を休むこともあった佐々木ハナ。ある日、花に水をやりながらテニスをする上級生の人気者・有馬光子の様子を横目に見ていた。
すると、テニスのボールがハナにぶつかってしまい、慌てた形相でやってくる光子。ハナの安否を確認し、花壇を荒らしてしまったことを詫びつつもハンカチを手渡し、さらに「…あなた」「お名前は…?」とハナに尋ねる。
そして、ハナが名乗ると、「このお花は全部 あなたが育てたの?」と質問され…。読者からは「内容も素晴らしく歴史も感じられて最高だった」「素敵なお話」などの声が上がっていた。
■作者・うたたね游さん「特に時代背景は描く前に念入りに調べました」

――『ワンピースと春雷』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「元号」ごとに、各時代を各作家が1作品ずつまとめたアンソロジーを作成されるとのことで、お声がけいただいたことがきっかけです。テーマと「百合」を組み合わせた時に、難しい題材ではありますが、魅力的だなと思い、参加させていただきました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
特に時代背景は描く前に念入りに調べました。大正時代の「エス文化」をとりまく当時の環境や人々の考え方、女学校の仕組み、ストーリーの展開上はっきりと西暦の描写が出るので、女学生の服装から髪型、小物も、時代にそぐわないものが出てきてはいけないので、かなり調べて描きました。
その時代背景をふまえた上で、単純に2人の関係が「一時の気の迷い」と軽んじられて引き裂かれる話ではないよう、自分なりにストーリーを考えました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
若干ネタバレなのですが、ラストシーンです。冒頭の花壇に倒れ込んだハナと、未来の、花に囲まれたハナの対比は切ないのですが、一番描きたかったシーンです。
――今後の展望や目標をお教えください。
この作品で過去の時代の話を描くことの難易度の高さを知りました。次に描く時にはもっと表現力を磨いておきたいです。
――読者へメッセージをお願いします。
『元号百合アンソロジー』をぜひ読んでみてください!時代ものというとどうしても悲恋のイメージがありますが、これからの時代に対する希望も描かれたとてもいいアンソロジーです。
私の既作ですが、同じく少女たちの希望が描かれた『踊り場にスカートが鳴る』も全6巻発売中なので、こちらもよろしくお願いいたします。

