胃ポリープについてよくある質問
ここまで胃ポリープを紹介しました。ここでは「胃ポリープ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
胃ポリープ以外で胃に発生する隆起性の病変には何がありますか?
隆起を形成する病変としては胃腺腫、胃がんが挙げられます。いずれも腫瘍と呼ばれる病気です。
胃腺腫は軽度の異型を示す上皮細胞が増殖する良性の病変であり、胃がんは、強い異型を示す上皮細胞由来の悪性細胞が増殖する病変です。
胃腺腫は良性ですが、なかには、悪性化し、胃がんに進行するタイプのものもあり、内視鏡的に切除することもあります。
胃ポリープを切除する場合、どのような方法で切除されますか?
大部分の胃ポリープは内視鏡的を用いて切除されます。大きくわけて3つの方法があります。
ポリペクトミー
隆起性の病変に行われる方法です。スネアと呼ばれる金属製の輪を病変にかけて、絞扼し、高周波電流で切除します。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
隆起の少ない病変に対して行われる方法です。まず、病変が存在する層よりも下側の、粘膜下層という部分に液体を注入し、病変を浮き上がらせます。浮き上がった病変にスネアを引っかけて、絞扼し、高周波電流で切除します。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
サイズの大きい病変に対して行われる方法です。病変の周囲をマーキングし、粘膜下層に液体を注入し、病変を浮き上がらせます。病変の周囲の粘膜をナイフで切開し、粘膜下層から剥離させて、病変を切除します。
まとめ

胃ポリープは多くの場合良性であり、特に症状がないまま発見されることがほとんどです。しかし、種類や大きさによってはがん化のリスクがあるため、正確な診断と適切な経過観察・治療が重要です。
診断には内視鏡検査が有効であり、必要に応じて生検による組織診断が行われます。ピロリ菌感染が関係するポリープでは、除菌治療により改善が期待できる場合もあります。
定期的な内視鏡検査と医師との相談を通じて、ご自身の胃の状態を把握し、安心して日々を過ごしましょう。

