
笠谷瑠璃は普通の女子高生ではない。「関わったらいけないタイプ」「虚言癖の痛い奴だろ」と裏でコソコソと噂をされる存在だ。本人も自分がどう見られているのか自覚があり、「まあ、“見えない人”はそう思っちゃうもんだよねー」と開き直っている。




彼女が周りの人間を“見えない人”と呼ぶのは、自分自身が霊の姿をはっきりと視認できる側の人間だからだ。彼女は霊を怖いと思うどころかむしろ好んでおり、平気で会話をすることもできる。そのため、「誰もいないところに話しかけている」「なぜかいつもめちゃくちゃ楽しそう」という噂が広まっていたのだ。
■凄惨なホラー展開を覆す、主人公の超ポジティブな視点
ある日、彼女が話しかけていたのは、30年前に“教師いじめ”に遭って学校の屋上から自殺した女教師の霊だった。長い年月をかけて当時の生徒たちを呪い続けてきたという本格的なホラー展開だが、本作はただのホラー漫画ではない。超ポジティブな性格の主人公の目や言葉を通すことで、亡くなった霊の無念さがコミカルかつ温かく描かれるのが魅力である。
本作『幽霊大好き女子の話』を描いたのは、『夜顔 私が知らない、夫の秘密。』などのコミカライズも担当する漫画家の空白(@ashirocks_989)さん。「ホラー漫画が描きたい!」という想いと、「ずっと笑ってる無敵そうな女の子が描きたい!」という想いを掛け合わせて生まれた作品だという。空白さんは「ホラーものといえば霊にひたすら恐怖する話が多いが、逆に主人公が霊をめちゃくちゃ好きだったらどうなるだろうと考えた」と制作の経緯を語る。
■トラブルを解決に導く頼もしさと、個性豊かなキャラクターたち
笠谷というキャラクターについて、空白さんは「好きなものにまっしぐらで明るい学校の人気者になりそうなキャラなのに、そのすべてが幽霊に向けられているというギャップをおもしろく思ってもらえたら」と語る。彼女が関わることで、幽霊トラブルがすぐ解決してしまう頼もしさも見どころだ。
また、物語のアクセントとなるのがメガネ男子・折野の存在である。彼は笠谷へのツッコミ役でありながら、自ら首を突っ込んで関わりに行くおせっかいなタイプだ。「笠谷はある意味『無敵の存在』なので、そんな子と行動をともにできるのは同じくらい幽霊に興味があり、意思が強くブレないタイプだろうと考えた」と空白さんは明かす。
「先生が学校イチの怨霊になったときの話する?」と聞く笠谷に、「何だそれ…ちょっと気になるじゃねぇかよ…」と答える折野。各エピソードの幽霊譚は解決しながら進行するが、物語をまたぐ未解決の謎も残されている。新感覚のホラーコメディとして、彼らのやり取りと怪異の謎を楽しんでほしい。
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