市川右團次、常連客のおすそ分けに恐縮 大将の「これが人情の町の人形町なんで」が示す町寿司の温かさ<今宵、町寿司で>

市川右團次、常連客のおすそ分けに恐縮 大将の「これが人情の町の人形町なんで」が示す町寿司の温かさ<今宵、町寿司で>

「今宵、町寿司で 市川右團次と小粋な一献」
「今宵、町寿司で 市川右團次と小粋な一献」 / (C)BSテレ東

BSテレ東で毎週土曜夜10時から放送中の「今宵、町寿司で市川右團次と小粋な一献」。古くから地元で愛される町寿司を歌舞伎俳優の市川右團次が酒を酌み交わしながら店の歴史や、職人の矜持を伺う。Season2第4回目となる8月8日の放送では、中央区人形町にある「寿司 とちの木」へ。大将や常連客の温かい人情を全身に受けた。

■人形町駅から徒歩1分「寿司 とちの木」へ

甘酒横丁や1760年創業「玉ひで」1933年創業「芳味亭」など、老舗が軒を連ねる“美食街”の人形町。今回市川が訪れたのは穴場の町寿司として愛される「寿司 とちの木」だ。普段通り「失礼します」とあいさつして入店すると、「はーい、いらっしゃいませ」と爽やかな歓迎が響く。

同店は2006年創業で、にこやかに出迎えてくれた大将の橡木義和さんと女将の橡木雅子さんも2006年に結婚。つまり2026年は結婚20周年&創業20周年というアニバーサリーイヤーということで、市川は驚いてお祝いムードで大盛り上がり。

大将は36歳のときに独立したのだが、店を始めるときから女将もずっと現場に立っている。2人の付き合いが高校生のときからと聞いた市川が、息子の年齢が近いため“恋してるのかな”と思いを馳せる一幕も。

カウンターへ案内された市川は、さっそくビールを注文。まずは喉の乾きを潤して、今回のロケが始まった。

■毎日市場へ欠かさず通い新鮮なネタを提供

おつまみを注文した市川に届けられたのは、皮目が炙られたタチウオ。「炙り具合もいいなぁ」と堪能しつつ、市川は続いて握りをいただいた。提供されたのは包丁の入れ方にもこだわりが見て取れ、酢の具合も絶妙な小肌。大将の丁寧な仕事ぶりが見え隠れする。

さらに中トロやコチもいただく市川。シャリには“古米”に赤酢2種類と合わせ酢1種類をブレンドして、香り・甘み・酸味のバランスを取る。わざわざ新米でなく古米を使うのは、新米よりも水分量が少なく粒立ちがしっかりしているから。水分量が多い新米と違って酢が入りやすく、粘り気が減って口のなかでほどけやすい。寿司屋の多くは古米を使っているという理由も聞いた市川は、「だから古米なんだ」と納得の様子を見せた。

大将から色々と伺っていたところで、20年通う常連の男性2人が入店。しばし無言の時間が続き、タイミングを見計らって市川が「お先に伺っております」とあいさつする。聞けばこの2人は20年前にこのお店で出会い、意気投合してからの付き合いなのだとか。

大将への思いを聞きながら、アワビをいただく市川。アワビはそのままだとワサビと醤油が絡まないため、波切りで提供しているという話に丁寧な仕事ぶりに感動する。ほかにも熟成より新鮮なものを提供したいという大将の職人魂に、思わず笑みがこぼれた。

1杯目を飲み終わった常連さんは、日本酒「市野屋」を注文する。それに触発された市川も同じものを頼み、乾杯。客同士の距離も近い町寿司ならではの心温まる光景だ。常連さんは続いてカラスミと穴子の白焼も注文し、ふたつともご相伴に預かる市川。どちらも「美味しいなぁ」と舌鼓を打った。

さらに常連さんが頼んだ次の酒も「もしよろしければ」と勧めてもらうに至り、都合3回目のおすそ分けとあって「えぇ~いいんですか!?」と恐縮気味の市川。それでも「これが人情の町の人形町なんで」と大将の笑顔を見るに、もしかしたら特別なことではないのかもしれない。

ついで煮穴子や漬けマグロ、店からのサービスでお椀もいただいた市川は大満足。ボチボチ締めに入ろうとした市川は、最後に貝を注文する。つぶ貝のなかでも最高級と言われる北海道産のマツブは春から夏にかけて旬を迎えており、見ただけで「どう見ても美味い」のがわかるほど。コリコリと噛む小気味よい音が女将さんまで届く、締めにぴったりの一品をいただいた。

■常連さんに愛される大将の人柄

「今宵、町寿司で市川右團次と小粋な一献」では、お邪魔した町寿司にお礼の言葉と手拭いを渡すのが恒例となっている。今回は「人形町で人情味あふれる『とちの木』寿司美味しかったです」を贈った。

大将の明るい声や顔を見ると、仕事の苦労も吹っ飛ぶび明日の活力になるという常連さん。この町で長く続けたいという大将の心意気が響いてか、常連さんからも「10年20年続くように、通いたいと思います」という言葉が出てきたのも印象深い。今回もたくさん飲んで食べた市川だったが、会計は8690円。素材と技を考えれば、破格の安さだ。

次回8月15日(土)夜10時からの放送は、文京区・根津で握る父娘の町寿司へ。父から娘へ受け継がれる技と心に自身を重ねる市川。次回も町寿司で一献、温かな時間を市川とともに楽しみたい。

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