
朝まで決して開けてはいけない和室。その言いつけを破らず、障子の小さな穴から中を覗いてしまったことで、想像もしなかった恐怖に巻き込まれる――。朝まで決して開けてはいけない和室。その言いつけを破らず、障子の小さな穴から中を覗いてしまったことで、想像もしなかった恐怖に巻き込まれる――。大家(@ksyjkysk)さんがコミカライズした「扇風機の家」は、ツイキャス「禍ちゃんねる 百怪忌念スペシャル」で語られた怪談を再構築した作品である。静かに忍び寄る恐怖が「ゾクゾクする」と話題を呼んだ本作について、制作の裏側を聞いた。
■怪談を漫画で表現した理由



著作権フリーで配信されている怪談ツイキャス「禍話」は、毎週土曜日23時から配信され、多くの怪談ファンに親しまれている。以前から番組を楽しんでいた大家さんは、「リモートワークや原稿の作業中によく聴かせていただいていました。禍話さんはファンの方によるリライトやファンアートなどの投稿が盛んで、私自身も漫画を描くので、せっかくなら参加したいと思ったのがきっかけでした」と振り返る。
また、「扇風機の家」は特に印象に残っていたエピソードだったそうで、「不気味な和室など描くのが楽しそうなシーンがたくさんあったので描かせていただきました」と語る。本作は公開後、「怖いけど読んでしまう」「ゾクゾクした」といった声が寄せられ、大きな反響を集めた。
■違和感が少しずつ膨らむ恐怖
主人公は大学の夏休み、住み込みで留守番をしている友人に誘われ、豪邸で数日間を過ごすことになる。食事付きで自由に過ごせる好条件だったが、その家には奇妙な決まりがあった。毎晩11時になると奥の和室で扇風機を回し、朝7時まで決して部屋を開けてはいけないというのだ。畳一面には小さなおもちゃが並べられ、朝になると倒れたそれらを起こして再び並べ直す。不思議な作業の理由を尋ねても、友人は何も教えてくれない。
■障子の穴から見えたもの
ある夜、主人公は物音で目を覚ます。和室の前を通ると、中から小物が倒れる音が聞こえてきた。「この部屋には何かがいる」。そう感じた主人公は、ふすまに開いた小さな穴を見つける。「開けなければ大丈夫だろう」と中を覗いた瞬間、背筋が凍る光景を目にする。見てはいけないものを見てしまった恐怖が、一気に押し寄せる展開となっている。
■静かな恐怖を演出する工夫とは?
漫画化にあたって大家さんは、「元のお話の怖いポイントの1つが“何かに気付きつつもそれを隠してる友達”の存在だと思うので、友達の表情や行動に不穏さを感じられるよう心掛けて描きました」と制作時のこだわりを明かす。本作を含む「アイスの森」「扇風機の家」など、禍話の怪談をコミカライズした作品は『禍話 SNSで伝播する令和怪談』として書籍化。さらに、スティーブン・キング作品を思わせる「僕らの夏と灰」や、「嵐の日の来客」など、不穏な空気がじわじわと迫る作品も高い人気を集めている。静かな恐怖に浸りたい人には、ぜひ手に取ってほしい。
■取材協力:大家(@ksyjkysk)
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