蒼井優“咲子”が二度のビンタ、松山ケンイチ“充”に視聴者も「腹立つ」「モヤモヤする」と怒り&困惑<Tシャツが乾くまで>

蒼井優“咲子”が二度のビンタ、松山ケンイチ“充”に視聴者も「腹立つ」「モヤモヤする」と怒り&困惑<Tシャツが乾くまで>

咲子(蒼井優)は充(松山ケンイチ)に怒りを向ける
咲子(蒼井優)は充(松山ケンイチ)に怒りを向ける / (C)TBS

蒼井優が主演する金曜ドラマ「Tシャツが乾くまで」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第6話が8月14日に放送された。咲子(蒼井)の夫・充(松山ケンイチ)の突然の帰宅。視聴者も驚いたその展開は、第6話でさらに怒りと疑問、困惑が渦巻く展開でSNSが騒然とした。(以下、ネタバレを含みます)

■二組の夫婦の喪失から始まる“愛”と“秘密”の物語

本作は、「silent」(2022年、フジテレビ系)などの脚本家・生方美久氏が、とある事故に巻き込まれた二組の夫婦の“愛”と“秘密”を描くオリジナルストーリー。

地上波連続ドラマ18年ぶりの出演となる蒼井が演じる主人公・咲子(さきこ)は、出版社で結婚情報誌の編集担当として働く40歳。優秀で仕事はできるが、私生活では面倒くさがりで少し抜けている部分も。何事もまっすぐ純粋に受け取るタイプで、愛する夫と幸せな結婚生活を送っていた。

だが、ある夏の日、夫が事故に巻き込まれ、幸せな日常が崩れ去る。さらに、その事故が暴いたのは、愛する人の“第3金曜日の秘密”だった。

物語の軸となるのは、咲子を含む5人の男女。製菓メーカーに勤務する生真面目で不器用な“ちょっと残念な男”園田樹生役を中島歩、バスが橋から転落した事故で行方不明になった咲子の夫・瀬尾充役を松山ケンイチ、樹生の妻で充と同じバス事故で亡くなったあずさ役を夏帆、充がオーナーを務める喫茶店「ひこうき」の従業員で、一見社交的だが人とは深く関わらないドライな性格の矢野直人役を高橋文哉が務める。

■帰ってきた充に咲子がビンタ

第6話は、咲子のビンタが2発も繰り出された。“ビンタ”が出るときというのは往々にしてそうだが、2発とも咲子の感情が爆発したシーンだ。

「もう帰ってこない」と思い、充の荷物を捨てるところから気持ちの整理を始めた矢先、充が帰ってきた。驚きながらも家に招き入れた咲子だったが、玄関先でまずはビンタを一発。

「ごめん。やっぱ私が先でいい気がした」と言ったのは、充には通じないこと。もし充が帰ってきたら、樹生に先に殴ることを許すと話し合っていたからだ。よって、咲子が続けた「次はグーかも。ちゃんと歯くいしばってね」というのは樹生を想定してのことだ。

ただ、家の片付けを手伝っていた樹生が充と顔を合わせたとき、「はじめまして。妻がお世話になりました」と頭を下げた充に樹が殴りかかろうとしたのを、咲子がパッと間に入った。その複雑な思いはいかばかりか…。

樹生が「まずは2人で話したほうがいいと思いますし」と去ろうとすると、咲子は「すみません。私も状況がよく分かっていなくて」と謝った。後日あらためて場を設けるという提案をされた樹生も「こちらこそ、すみません。もうホント殴っちゃいそうだったんで、いったん離れて頭冷やしてきます」と言った。

樹生が帰ったあと、「冷静に見える」と言われた咲子は「大人が泣き叫ぶとか手が出るとか相当なことだからね」と語った。だからさっきの咲子のビンタは「相当」なこと。そして、外に出た樹生が歩みを止め、咲子たちの家を振り返って、空中でこぶしを振り下ろしたのは、「大人」だから直接はこらえたけれども、やはり気持ちは「相当」に怒りが沸いていたのだ。

■咲子は樹生を責める発言をした充をビンタ

怒りの気持ちが大きくあるのに、帰ってきてくれてうれしい。けれど、何があったのかを聞くのは怖いし、いつしか充とはまた違う大切な人になっていた樹生のことも心配。複雑な思いが渦巻き、「いっそ、もう帰ってこなければよかった」と絞り出した咲子の本音が切なく響いた。

怒りが大きいのは、「飄々(ひょうひょう)としやがって」と咲子が表現した充の姿もあった。その充は、この1年間、両親と暮らしていたという。咲子が充のスマホから見つけた長野県の住所は、両親の家で、咲子が訪ねて来ても知らないふりをするように母親に頼んでいたという。そんな中、最近父親が亡くなり、ダメージを受けている母親を見て、急に自分がいなくなったことで咲子のことが心配になり、戻ってきたのだった。

父親の葬儀を直人が手伝っていたことを知り、あまりの情報量の多さに混乱した咲子は、続きは樹生と一緒に聞くと提案した。

そして、その3人での話し合いのときに二発目のビンタが出た。

1年前、疎遠だった両親に会いに行くと決めた充は、心細さから第3金曜日にコインランドリーでおしゃべりするだけの仲だったあずさに付いてきてもらった。しかし、不倫関係は否定した。

樹生と同様に納得できない咲子が「証拠」があるかと問うと、「不倫の証拠だったらいろいろあるんでしょうけど、不倫じゃない証拠っていうのはどうにも」と充。

樹生は、怒りもあって言葉尻が強くなっていく。すると、「不倫するような人だったと思ってるってことですか。信用ないんですね。園田さん、かわいそう」とあずさを思いやる言葉を吐いた。さらに「そちらこそ、妻を失ったかわいそうな人間は事実を無視して偏見を振りかざして価値観を押し付けてもいいんですか」とまくし立てた。

そこで樹生が立ち上がるのと同時に咲子が立ち上がり、充の頬をはたいた。咲子は「言いたいことは分かる」としながらも、充の用事についてきてくれたあずさが亡くなっており、夫である樹生を責め立てるのは間違っているとして「あんたは言葉を選んで」と叱りつけた。

しかし、今度は充が咲子と樹生の関係を疑った。そして不倫じゃない「証拠」、恋愛関係にない「証明」を求めた。それが、自分とあずさにかけられている容疑でもあるのだと、淡々と詰め寄るところで第6話の幕を閉じた。

この展開でSNSは「はぁ?」「どの口がそんなこと言えるんだ」「鬼の首獲ったみたいにべらべら言ってんじゃねえぞ」「おいおい充、人をあまりイライラさすなよ!?」「サイコパスすぎてもはや笑う」「今世紀で一番腹立つ男」「もう皆で充をぶん殴りに行こうぜ」と騒然とした空気になった。

■脚本の生方氏が語っていた「フィルターを通して見る」面白さ

咲子と充の出会いは、友人の結婚式。そこで、淡泊で無関心な両親を持つ充と、過干渉な母を持つ咲子は意気投合した。充が「仲のいい家族を見ると自分が欠落している気持ちになります」と語ったことが、長年、咲子が言語化できないでいた気持ちだった。

それから考えれば、充は言語化する能力に長けてもいると思われる。また、人とのコミュニケーションを外面のよさで乗り切っていたのが、この1年、人とあまり関わらなくて、言葉に鋭さがあることを、直人は「ちゃんと言葉選んでくださいよ」と忠告していた。

そんな中で、咲子と樹生の関係を自分たちの「証明」にもなると考えたのだろうか。しかし、充自身はまだ秘めていることがあるのに、強い言葉になっていると感じられたから、視聴者としても驚いたのだろう。

咲子と充は、結婚生活において「ウソはダメ。でも言いたくないことは言わなくていい」という約束事があった。前話で注目された喪服姿の直人の謎が充の父親の葬儀だったと判明したが、長野へバスで向かう途中にサービスエリアで「逃げた」のはただの逃避癖だったのか、そもそも両親に会おうと思ったのはなぜか、それにあずさを同行させた本当の理由など、謎はまだまだ残る。

視聴者から「ムカつくんだけど、面白くなってきたと思ってしまった」という投稿もあった。脚本家の生方氏はインタビューで「私は『自分には想像できない言動をとる人間を見る面白さがある』と思ってるので、今作はそういう“フィルターを通して見る”みたいな、少し距離をとった見方もおすすめしたいです」と語っている。物語中盤の転換ポイントで大きく心を揺さぶられた展開。騒然とするのも、さまざまなキャラクターに思いを馳せるのも、見方は自由だが、多くの人が引き付けられているのは確か。充の秘密を始め、次なる展開が楽しみだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部




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